ナマステする女性の横に「ヨガインストラクターがヨガセラピーを学ぶ意義とは?」の文字

今注目ヨガセラピー。その定義とは?

ヨガセラピーとは、ヨガを代替医療の一つとして捉えた場合の呼び方です。実際の医療行為のサポートとして、心身の不調や疾患の予防、症状の緩和、または原因の解消などを目的として行われるヨガのメソッドのことを指します。

現代では西洋医学の治療においてヨガが医師により処方されるほど注目されているヨガセラピー。しかしながら、実はまだ明確な定義が存在しない研究途中の分野なのです。
 

スワミ・クヴァラヤナンダ師

写真左の男性がスワミ・クヴァラヤナンダ師。(Istituto Kvalayanandaホームページより)

そもそもの起源はスワミ・クヴァラヤーナンダ(1883-1966)によって1924年インドに設立されたカイヴァルヤダーマ研究所(日本の文部科学省に相当するインド中央政府の人的資源開発省)におけるヨガの科学的な研究でした。

それが現在西洋医学の様々な分野で検証が進むにつれて、多岐の分野や症状への効果を期待するメソッドとしてヨガセラピーという言葉が多用られるようになったのです。例えば、慢性疼痛やストレス性の疾患、さらには消化器系にまつわる症状や、認知症予防まで。

本記事では、各分野で様々に解釈されているヨガセラピーの現状を統合的に捉えて記載いたします。またそれをヨガインストラクターが学ぶ意義とはどのようなものか。ぜひご覧ください。

 

ヨガセラピーの医療に対する立ち位置

聴診器と問診票とカプセル剤
先述の通り、まず大前提としてヨガセラピーは「代替医療」です。代替医療とは科学的な有用性の裏付けがなされた西洋医療(通常医療)の代わりに用いられる療法のことを指します。

日本や多くの国において、医療行為は医師免許を保有する者が行う西洋医療のことを指しており、「代替医療」は医療行為ではありません。(そのため近年アメリカでは「補完代替アプローチ」という言葉が用いられています)
 
しかしながら、生活改善や呼吸法、瞑想法など、ヨガに含まれる様々な要素は患者の心身の調和を取り戻すという側面でアメリカや日本でも多くの医師から期待されています。つまり、医療行為とは別に、自身が健康状態の管理や予防を行う手助けをするのが、ヨガセラピーの立ち位置と言えます。

 

ヨガセラピーを学んで得られる5つのギフト

では、実際にはどのような状況に対してヨガセラピーの効果が期待され、また用いられているのでしょうか?ここでは特に日本で注目されている5つのパターンをご紹介いたします。

【ギフト1】身体の不均衡に由来する不調の緩和
座っていて起こる悪い姿勢
慢性的な首の痛みや肩、腰の痛みなどは、ヨガを始めるきっかけとしてもポピュラーな動機の一つです。特に疾患などが見られないのに痛みが続くような場合、身体に負荷がかかりやすい姿勢を行なっている場合があります。
 
この姿勢が原因の痛みについて、ヨガセラピーによって痛みを感じる箇所の緊張を緩和し、痛みの軽減を助けることが期待されています。

例えば、デスクワークを長時間行なっていると、腰を過度に反らせたり丸まらせたりしてしまっている場合があります。この場合、腰椎が圧迫されることで痛みを生じるだけでなく、症状が発生している箇所に近い臓器も何らかの負荷を受、内臓機能に支障をきたしている場合があるそうです。

このような場合には過度に緊張した腰背部を正しい骨格位置に戻すように促す優しいポーズの行い方や正しい順番、準備運動なども専門的に学ぶことができます。

【ギフト2】不調を生み出す「癖」を直す
足上げで腹筋を鍛える女性
先述の姿勢と関連が深いのが「癖」の改善です。ヨガを通して、反ってしまった腰背部の緊張を緩め、姿勢の改善を行なっても、原因となったデスクワークを長時間続ければ、また同じ症状となります。しかし、そもそも身体に負荷の少ない正しい姿勢を行いづらい状態になっていることも問題の1つとして挙げられます。
 
根本的な姿勢改善もヨガセラピーが大きく活躍する分野です。背中を反らせずとも上手に体を支えられるよう、その人の身体にとって必要とされている筋肉や関節の機能を取り戻し、また向上させるよう、できるだけ平易なポーズを繰り返し行います。

日常生活を快適に行うことができる身体の状態を作りだすため医師も勧める運動習慣を身につけられます。

【ギフト3】病気の予防を助ける自律神経のバランスの維持
自然の中でナディ・ショダナをしている女性
実際の病気の症状に対してヨガで直接的な治療が行われてはいませんが、自律神経のバランスの乱れが原因の1つとして考えられる場合、様々な対処療法や生活改善の一環としてヨガセラピーが求められることは多いです。
 
自律神経は内臓機能の働きに大きく影響しているだけでなく、身体や脳の活動状況をも左右します。現代人の場合、交感神経(主に活動時に働く)が優位になりがちと言われ、この状態が続くことで神経性胃炎や、偏頭痛の原因になることもあります。
 
対処方法として、一定の呼吸に合わせたヨガを行うことや、それが難しい場合は呼吸法を行うことで、セロトニンと呼ばれる体内物質の発生を促し、自律神経の働きを調整する効果があることはすでに実証されています。

また、ヨガを行う習慣を作ること自体が意識して休養する時間を持つことにもつながるため、ストレスを受けやすい環境から離れづらい状況を変えられることも期待されます。生活リズム自体を整えるものとしてヨガセラピーの知識は広く活躍することでしょう。

【ギフト4】メンタルヘルス症状の緩和に役立つ
手でハートを包み込み、聴診器を当てている
交感神経が優位になりやすい現代人が多い一方、身体を休めたい時にもなかなかスイッチを切れない症状の方も非常に多いと言われています。これは副交感神経(主に休息時に働く)が強まりすぎて、脳や身体が活動する準備をできない状況です。場合によってはうつ症状を引き起ここともあると認められています。

この場合にもまずはセロトニンの分泌を促すためヨガや呼吸法は大いに取り入れられます。また、ヨガのポーズも行うことが難しい場合、瞑想法によって脳を熟睡状態と同等に休め、時間とともに自然に切り替わる自律神経のリズムを取り戻す方法も取り入れられています。

この瞑想法も非常に様々な種類があり、精神状態に合わせて行いやすいものを選べるのも大きな利点です。このように、ヨガのポーズ以外にも、様々な方法でのヨガセラピーがメンタルヘルスの分野において特に期待できます。
 
【ギフト5】生徒や家族の不調の兆しに気づき、助ける
膝をマッサージしている女性
最大のギフトは、上記で示した様々な状況でお困りのご家族やご友人、そして生徒さんがいらっしゃった場合、その原因を見つけ、症状緩和の手助けができる“診る目”と“技術”が身につく点でしょう。

  • 腰痛を訴えている方の姿勢を見つけ、正しい状態に導く
  • 根本的な原因となっている箇所の改善方法をヨガで提案する
  • ストレス反応を知り、その傾向が強い方に対して最適なリラックスを提供
  • どのようなヨガが適切な精神状態かを客観的に判断し、臨機応変に対応…

今回本記事でお伝えしたのは、多岐に渡るヨガセラピーのバリエーションにおけるあくまで基本的な部分です。

ですが、本当に怖いのはこの症状ではなく、症状に気づかないまま放置してしまうことや、正しい対処方法を知らずに誤った処置を行って、返って状況を悪化させてしまうこと。

身体と心に対してこれらの悩みに対する正しい知識と、間違いなく見極める方法を身につけることは、ヨガを使って身の回りの多くの方を助けるために必要不可欠なのは間違い無いでしょう。

自分のためにも、家族のためにも。そして、大切な生徒さんのためにも。
誰かをヨガでサポートするためにある、それがヨガセラピーなのです。

 

ヨガセラピー専門家、ジュディー・クラップのおすすめ講座スケジュール

窓際で微笑むジュディ
このヨガセラピーという分野の成長の歴史に必要不可欠だった人物がいます。それが40年以上ヨガセラピーに携わっている専門家、ジュディー・クラップ先生。
 
シュリ.K.パタビジョイス、B.K.S.アイアンガー、ギーター・アイアンガー、エリック・シフマン、ロドニー・イー、デビッド・ライフ…歴史的な数々の偉人からヨガとそのセラピューティックなアプローチを学び、自身もマッサージセラピーやマイオセラピーなど、心身のバランスに関するあらゆる分野を修めています。

まるでマッサージをするかのようなアサナ、呼吸法、瞑想法の指導に定評がある彼女の来日スケジュールがいよいよ公開されています。
 
まずは今この文章を読んでいるあなたにとって、必要な分野の講座をのぞいて見てはいかがでしょうか。
 

  • 身体の歪み解消や自律神経の調整に特化したヨガセラピーを体験したい方は、まずは90分クラスがおすすめです。
『ヨガセラピー90分体験クラス』
海辺でブルクシャサナ
【3月17日(火)】

ヨガセラピー専門家、ジュディー・クラップが参加者の体の状態を1人1人丁寧に診ながら身体の歪み解消や姿勢改善のアドバイスを行っていくクラスです。
講座の詳細はコチラ⇒⇒


  • 身体の中でも、特に肩や首が辛い、または猫背や頭痛が辛い方は、首回りの症状緩和に特化した講座があります。
『首・肩痛ケア〜ヨガセラピー体験ワークショップ〜』
ナマステするジュディーと首・肩痛ケアの文字 judy-top01
【3月13日(金)】

日本人の7〜8割が抱える首・肩・背中の痛み。マッサージ要素をふんだんに取り入れたヨガセラピーのリカバリーレクチャーを受ける講座です。
講座の詳細はコチラ⇒⇒


  • 腰が辛い方や、立っていると足が痛くなりやすい方は、腰回りに特化した講座があります。姿勢改善の効果も高いです。
『腰痛ケア〜ヨガセラピー体験ワークショップ〜』
ナマステするジュディーと腰痛ケアの文字
【3月13日(金)】

ヨガセラピー専門家、ジュディー・クラップが参加者の体の状態を1人1人丁寧に診ながら身体の歪み解消や姿勢改善のアドバイスを行っていくクラスです。
講座の詳細はコチラ⇒⇒


  • ヨガセラピストとしての一歩を踏み出したい方には、まずはそのベースとなる内容を3日間でしっかりと身につける講座をご覧ください。
『ヨガセラピー指導者養成講座 ベーシック(3日間)』
ヨガセラピー指導者養成講座ベーシック
【3月14日(土)~16日(月)】

ヨガセラピー専門家、ジュディー・クラップが参加者の体の状態を1人1人丁寧に診ながら身体の歪み解消や姿勢改善のアドバイスを行っていくクラスです。
講座の詳細はコチラ⇒⇒