これまで第一弾第二弾と話を聞けば聞くほど正反対とも思える2人。その2人がなぜ、こんなにもうまく調和するのか。今回はキャシーがどうしてヨーコを弟子としたのか、そしてその後の2人の変化の様子に迫り、そして2人の調和の理由を紐解く。

「一緒に働きたい」ヨーコを弟子に選んだ理由

べーさんインタビュー用

キャシー先生に伺います。なぜヨーコ先生を当時弟子として選んだのでしょう?

キャシー・ルイーズ

私はまず自分が一緒に働きたいと思う人を選びます。さらにヨーコにはすでにヨガの指導経験があったので一から教える必要はなく、必要なのはアシュタンガのマイソールスタイルを教えるくらいでした。

プラクティスにおいてもインストラクションを正確にこなすことに長けていたので信頼できると思いましたね。健全な関係が築けると確信していました。それから強い意志や決断力を感じました。より良い指導者になれるようにサポートしたいと思ったんです。

生徒の「なぜ」に答えられる指導者に

キャシーが生徒さんをアジャストしている様子

キャシー・ルイーズの指導の様子。キャシーのアジャストの指導は日本でも大人気。

べーさんインタビュー用

実際に指導を始めてみていかがでしたか?

キャシー・ルイーズ

とても楽しかったわ!いつもたくさん質問してくれました。技術的なことが多かったですけれど・・・「なんでそれをやってるの?どうやってやるの?」と。

ヨーコ・フジワラ

論理的に質問する私に「そんなのわかんないわ。そんなこと誰にも質問されたことないわ!」って言っていましたよね。(笑)

キャシー・ルイーズ

でも、おかげで私もより良い指導者になれました。「なぜ」を追求し、より踏み込んだ指導ができるようになりました。

ヨーコのプラクティスの変化。論理的な思考から直感的な思考へ

ヨーコ先生のハンドスタンド

息を飲むほど美しいヨーコ・フジワラのアーサナ。

ヨーコ・フジワラ

私はとにかく論理的に考えてしまうのでいつもキャシーの答えに納得できませんでした。ですが次第に「良いと感じるから、あるいは、なぜかしっくりこないから」という直感を起点にプラクティスを見直すことができることを学びました。

キャシー・ルイーズ

そうね。例えばダウンドッグをやる時、ヨーコは必ずステップ1〜3を踏んでいたとします。でも私が伝えたのはその先に実はステップ4〜6もあり、いきなりステップ1から6へいくこともできるということでした。

練習方法は様々で1ひとつではないと。けれど彼女は納得しませんでした。必ず決められたステップ通りにやらなければならないと考えていたのです。これは非常に日本人的な思考でもあるように思います。ヨーコは次第に納得し、思考もプラクティスも柔軟になっていきました。

ヨーコ・フジワラ

他にも例えば「ん?なぜそのアジャストをしているの?」と思いながら受けていて、その理由が後から明らかになることもありました。その場でキャシーが理由を説明できなくても。(笑)

キャシー・ルイーズ

今はお互いに経験があるので生徒に聞かれたらすぐに疑問に答えることができますが、当時は”勘”で「これをした方がいい」と指示をしていたこともありました。ですので「なぜ?」と聞かれたら・・・

ヨーコ・フジワラ

「わかんない!」って。(笑)

キャシー・ルイーズ

でもこうして振り返ると本当にお互いから学んだことは多いですね。

お互いを高め合える関係性

ヨーコ・フジワラとキャシー・ルイーズ
第一弾でお話した通り、人は本来「変化」を嫌う生き物である。今の自分とは違う人間になることに人は恐怖を感じる。この2人の素晴らしいところは、その恐怖にいつも果敢に立ち向かう勇気と人の言葉に素直に耳を傾ける強さだ。

だからこそ、性格の違う2人が一緒にいることを「楽しい」と感じることができ、お互いに成長できるのではないだろうか。もし、「指導者力」「生徒力」という言葉あるのであれば、この2人はその能力が非常に高い。

そしてそのバランスが絶妙にとれているからこそ、2人の関係性が「理想」とされるのではないだろうか。

第4弾へ続く