骨ナビの大江清一朗先生がホワイトボードで説明している様子

整体師大江清一朗先生の「骨ナビ」潜入レポート。今回は骨ナビ名物の「タッピング」の際に説明があった「優しい刺激を敢えてする理由」についてお伝えしたいと思います。
 
キーワードは「変化の感度を上げる」です☆
 
整体師として日々お客様のご要望を伺い、同時に身体に触れて身体の声を感じ取る大江先生ならではの視点が、ヨガの内観に通じています。

「今日のマッサージ、物足りなかったな・・」には理由があった!

骨ナビの大江清一朗先生が骨模型で説明している様子
「身体がバキバキだぁ~~・・・何とかして~!」と、マッサージや整体院に駆け込む時は、きっと「イタ気持ちいい」くらいの刺激を期待している方が多いかと思います。
 
でも、その期待を裏切るかのように、ゆる~~い刺激で満足感を感じられず「なにか意味があったのかな?」ともやもやした帰り道になってしまった経験はありませんか?

強い刺激は「やってもらった感」があるので満足できますが、プロの方は身体の状態をみながら、敢えて「優しい刺激」を選択しているということを大江先生が教えてくれました。

もちろん、お客様とのコミュニケーションで刺激は決めていきますが、強い刺激では身体が緊張してむしろこわばってしまうことがあります。それは身体にとって『負担』となっています。緩めたいときには優しい刺激を選択します。それでも十分身体は反応しているのです。

どちらが良い悪いではなく、目的に応じて選択すべきとのこと。今回大江先生が骨ナビで伝えたいことは「心地いい」の発見です。

本当に「物足りない」?強い刺激を求めすぎているだけかも?

骨ナビの大江清一朗先生の説明に集中している生徒さん刺激の尺度は人それぞれ。その日の体調でも変化します。昨日物足りなく感じていた刺激でも、身体が緩み今日は強く感じるかもしれません。

人は変化を感じる閾値(いきち)と言うものがあります。1~100変化の幅があるとしたら、1の変化で感じる人もいれば、100の変化が起きないと感じない人もいます。
 
ただ変化を感じていないからと言って身体の中で変化が起きていないかと言うとそうではありません。少ない変化を感じ取れる感性を磨いていくことが、身体を痛めずによりよい身体の状態に導いていくカギとなります。

 
講座の中で行われるワークを少しご紹介しますね。膝立ちでラクダのポーズの準備をする人に、そのペアとなる相手が背中を優しくでトントントントンと叩いて(タッピングという手法)あげます。膝立ちをしている人は「気持ちいい」場所を伝えるようにして優しい刺激をいれてもらいます。
骨ナビのタッピングをしている様子 
マッサージでいう「物足りない」と同じ、感じるか感じないかくらいの優しい刺激をいれることによって、背中をゆるめることを目的としたワークです。
before、afterはぜひ、講座に来てご自身で確かめてみてほしいところですが、潜入させていただいたときは、皆さん変化に驚かれていましたよ☆
骨ナビのタッピングの後、ラクダのポーズの変化を感じている様子

どんなワークショップでも『か・・かわりましたっ!』とか『す・・・・すごいですよね~~~!』と思ってもいないのに周りの雰囲気に合わせる必要はありませんよ(笑)でも、刺激が入ったことでどんな変化があったのか、無いなら無いことをしっかりと感じてみてください。

 

「物足りない」刺激で「緩める」「全体のバランスをとる」を目指す骨ナビ

緩い刺激を感じられなければ、強い刺激にも鈍感になっていると言えます。それが運動するときの『頑張りすぎて怪我をする』ことに繋がっています。言い換えれば、感度を上げて心地よさを感じることができれば、怪我の危険を今まで以上に察知できるようになるということです。

次にご紹介するのは、とても簡単なワークです。首を左右に動かしてみる、それだけです。それだけの動きだからこそ、じっくりと観察してみます。
 
何も抵抗なく動かせる範囲と、「んっ・・」となんとなく力が入り始める範囲と、少し頑張る感覚で肩から首にかけて伸びる感覚がある範囲と、これ以上はもう痛いという範囲と・・というように自分の運動をしっかりと把握します。
 
そのうち、一番緩やかな「何も抵抗なく動かせる範囲」だけで左右に首を動かします。刺激があるかないか、といえば刺激はありません。しかし運動が行われていないかといえば、確実に運動が起きています。外からの刺激も同様です。
 
自分が刺激を強く感じるかどうかではなく、刺激が入っている事実、運動が起きている事実があります。その「心地よい刺激」」が緊張している身体を緩めてくれます。左右に無理なくふるふるしたあとの首の回り具合はいかがでしょうか?限界と思っていたちょっと先まで「無理なく」可動域が広がっている方もいるのではないでしょうか?
 
首といっても、数個の骨が重なっている部位なので、講座では上中下と細かくわけて動かすようなワークをするので、こちらもぜひワークショップで体験してみてくださいね。

変化の感度を磨く!「超気持ちいい」改め「心地ち・・ぃぃ」へ

「超気持ちいい」ではなく「気持ち・・・ぃぃ」「心地ち・・・いい」と感じる練習をしてほしいと大江先生。マッサージやヨガでも自分はあまり感動するほどの変化は感じなかった、と思う時に少しだけ自分を観察してみてください。もしかしたら100以上の変化を感じる刺激を求めすぎている自分に気が付くかもしれません。すでに得られている心地よさに気が付くかもしれません。

大きな刺激は身体への負担が大きいという側面があります。筋トレを目的とするなら大きな負荷が必要になりますが、パソコン仕事でがちがちの背中回りをほぐしたいということであれば、大きな刺激よりも優しい刺激のほうが適している場合があります。目的に応じて選択することの大切さと、自分にとって本当の心地よさとはどんな状態なのかを発見する大切さを大江先生は骨ナビを通して伝えています。

ヨガをする前のメンテナンスとして骨ナビを取り入れてほしいことに合わせて、ヨガ自体も自分にとって6~7割の力加減で心地よさを感じてみるという「ヨガをする中でのメンテナンス」という視点で行われました。

アサナの一つ一つ、今日の自分はどこまでが心地よいのか。意識的に頑張って行う練習から物足りない刺激で行う運動実感の少ない練習の後のアサナの変化、自然性をぜひ感じてみてはいかがでしょうか。

難しい技術がいらないのが骨ナビメンテナンスのよいところ。体験ワークショップの内容はご自身でできることをお伝えしています。
 
運動実感がない低刺激の感度を上げるには、自分自身への観察が大きな鍵。整体師である大江先生の視点は、ヨガで大切にされている内観ととても大きな繋がりを感じました。