高尾先生 

ヨガ指導者であることを誇りに思える一日
これからの日本にヨガが出来ること。あなたが出来ること。

こんにちは、aiです。
産婦人科医・高尾美穂先生によるヨガ指導者のための1DAY講座「女性ホルモンの基礎知識と更年期について」に参加してきました。

そう、“潜入取材”ではなく“参加”。

実は高尾先生の講座取材が出来る機会を密かに狙っていた私。その念願が叶った日、10時の開始とともにワクワクとカメラ片手に教室に入り、気づけば13時!すっかり受講者の1人になって講義に聞き入っていたのです。

講義の時間は先生も喋りっぱなしの3時間でしたが、とにかくアッという間でした。

休憩を挟んでトータル5時間の本講座(現在は休憩無し4時間で開催しています)では前半に医療業界の動向やデータを使った講義、後半は様々な症状に効果的なヨガのポーズを一緒に考えるグループワークを行う2部構成。その様子をザッとご紹介します!

ヨガ業界の新たなターゲット層とは?その背景を知る。

まずは高尾先生の自己紹介から。

産婦人科専門医でありながら婦人科スポーツドクター、慈恵医大病院 産婦人科助教を経て現在は表参道にあるクリニックの副院長…などスゴイ経歴に圧倒されますが、先生の明るい笑顔と口調でスタジオの空気が一気に和やかに!

みなさんの緊張もとけたところで、日本人の平均寿命・健康寿命、平均閉経年齢、高齢化率などについてスライドを見せながら説明します。
グラフと高尾先生

【高尾先生談】
現在の平均閉経年齢は50.5歳。昔(約70年前)の女性の平均寿命は52~53歳なので、ほぼ同じですね。でも実は昔も今も、女性の平均閉経年齢はあまり変わっていません。

女性の平均寿命がグングン伸びるなか、閉経後の問題はここ数十年でクローズアップしなければいけない問題になりました。今や有月経期間と同じくらいある「閉経後の数十年をいかに健康で元気に過ごすか」が現代に生きる女性のキーワードのひとつになっているのです。

つまり女性のカラダについて学ぶことで、現在ヨガ人口のコア層といわれる20代後半~40代女性に対するアドバイスが出来るようになるほか、新たにシニア(更年期・老年期)女性へのアプローチも可能ということ。

現代事情を理解したところで、『女性ホルモン』『更年期』についてデータや仕組みを見ながら徹底的に学びます。女性ホルモンは年齢とともに減り続け、閉経後しばらくするとほとんどゼロになると聞いてビックリ!しかし残念ながら、その事実を知っていたとしても何のケアもしないまま更年期を迎える女性がたくさんいます。

では、ヨガ指導者が更年期の女性のために出来ることって何でしょうか?

更年期を元気に過ごすためのポーズを学ぶ

ヨガは更年期症状に効きますか?

そう聞かれたときにも自信をもってアドバイスできるよう、講義で正しい知識を身につけた後は更年期に起こりやすい肩こり・腰痛・めまいなど身近にある症状を改善するヨガのポーズを考えるグループワークへと移ります。
グループワーク

あちらこちらで「この動きがいいんじゃない?」と積極的な話し合いが始まり、そこへ高尾先生も加わって、みんなで検証します。これがまた楽しそう!キラキラした目と笑顔でディスカッションしている様子を見ると、ホントにみんなヨガが好きなんだな~と私まで嬉しくなります。

いよいよポーズの発表へ。

ポーズの発表
今後クラスや生活の中で活かせるように、グループのうち1人が指導役になって、受講者全員で実践。やっぱり、実際に体を動かすと覚えが早いですね!

ヨガインストラクターは医者より身近な相談相手かもしれない

高尾先生だから教えられる医学知識・スポーツの世界・ホルモン補充療法・マタニティになる前にしてほしいことetc…のお話からヨガのグループワークまで、充実の5時間でした!

先生の言葉はどれも心に沁みて、名言集を作れるんじゃないかと思ったほど(笑)

なかでも印象に残ったのは、

「女性が産婦人科に行くより、ヨガが好きな友人や信頼できるインストラクターに相談する可能性の方が高いかもしれない。ヨガインストラクターは自分が良いと思うことを伝染させることが出来る。しかも距離が近く。」という言葉。

きっと受講者それぞれの心に残った言葉があるでしょう。
ヨガの素晴らしさを実感し、改めて自分の仕事に誇りを持った方もいたのではないでしょうか。

“ヨガ指導者には、正しい知識を身につけ、それをご自身のクラスで活かすことで女性の健康と幸せに寄与してほしい“

高尾先生のそんな熱い想いを感じた講座でした。
集合写真

あとがき

入社以前にも幾度か文章を書く機会がありましたが、ふと振り返ると「あとがき」なるものを書くのは初めて。高尾先生の講座レポートを書いていると私情がそこかしこに現れてしまいそうになるので、いっそ思い切り書かせてもらおうと思いここに至りました。

30代に入り、以前より強い関心を持つようになった「女性のカラダ」。
友人と話していると、きっと昔は話すことが出来なかったであろう彼女たちのカラダの悩みに遭遇することもあります。例えば月経異常や流産。生理痛や不順などはよくある話ですが、実は…と流産の悲しい知らせを耳にすることも1回や2回ではありません。

残念ながら定期的に病院に行く人は多くはありませんが、婦人科検診で自分のカラダを知ることはとても大切なことだと思っています。

しかし高尾先生が仰るように、女性特有の悩みを医者に話す勇気はなくても、ヨガインストラクターに、特にマタニティや更年期など女性対象のレッスンをしているインストラクターには相談するかもしれない。

そのとき、ヨガ指導者のみなさんにはぜひ正しい知識をもった上でアドバイスをしてほしい。
そして、ヨガで幸せになる女性をドンドン増やしてほしい!

心からそう願っています。

ai