ママと赤ちゃん

産後ママの主な心身の不調

「産前と産後の女性の体はまるで別物」などとよく聞きますが、具体的に何が違うのかと聞かれたら答えるのは難しいかもしれませんね。

産後のママの体は出産によって受けたダメージでとてもデリケート。にも関わらず育児という”肉体労働”が待ち構えています。また心の面では女性ホルモンの激減により情緒が不安定になりがちに。我が子に会えた喜びと同時に、大変なことが重なる時期なのです。

<産後ママの主な心身の不調>
・子宮の収縮運動に伴う痛み(膨らんでいた子宮が元に戻るまで起こる)
・不正出血
・妊娠期・出産時に受けた圧により骨盤が不安定な状態に
・抱っこや授乳、オムツ替えによる肩凝りや腰痛、腱鞘炎
・腹筋などの筋肉の衰え
・寝かしつけや夜泣きによる睡眠不足
・ホルモンバランスの乱れによる情緒の不安定(産後うつ等)

大きな原因の1つが「頼れる人がいない」こと

ご飯を食べさせるママと泣く赤ちゃん

特に日本の場合、パートナーの勤務時間が長いことが多く家事分担もままならないこともよくありますね。通常の家事に加え、育児という大仕事が増えるにも関わらず、核家族化で身近に「頼れる人がいない」産後ママは多いのです。

やることが多く、家で赤ちゃんと二人きりになりがちですがこれも要注意。ママも赤ちゃんも外に出て適度な運動をすることがストレスの解消となります。そこでぜひ取り入れたいのが産後ヨガ!

 

ポーズのキーワードは「強める」と「回復させる」

産後ヨガアサナ

先週、産後ヨガ指導者養成講座を担当してくださったロージー先生は産後ヨガの目的を、こう冒頭で説明していらっしゃいました。

産後のママに「力を与えること」と「疲労を回復させてあげること

一般的に自然分娩の場合は出産の1ヶ月後から運動をしても良いと言われています。また、帝王切開の場合は手術を伴うため2ヶ月後からとされています。ただし、いきなり負荷の強いポーズをしても良いという訳ではありません。まずは骨盤底筋を鍛えるやさしいエクササイズから始め、徐々に体幹を鍛えるポーズを取り入れていきます。

さらに、産後の症状によって効果的なポーズは異なるため注意が必要です。例えば、以下のシークエンス(抜粋)は産後6〜12ヶ月のママを対象としたもの。体幹を鍛える比較的負荷の強いポーズも含まれるため、腹直筋離開*がないことが前提となります。(*妊娠期に左右の腹筋が離れて開いた状態になること)

<産後ママにオススメのポーズと効果>
・ガルーダや牛顔のポーズ:肩凝りの緩和
・プランク(腰の痛みに注意しながら):体幹を鍛える
・四つん這いから対角線上の手と足を上げ前後に伸ばす(尾骨を入れ、おへそは背骨へ引き込む):体幹を鍛える
・ベビーコブラから両手で頬杖をつく(腰の緩やかなアーチを感じる):腰痛の緩和
・仰向けで両足を上げるポーズ(リストラティブヨガ):むくみ解消、疲労回復

産後ヨガはママの体に感謝し、包み込むために

ロージー
左:卒業生アシスタントのロッティさん 右:ロージー・マダソン先生(ブリスベイビーヨガ)

産後ヨガポーズの指導に入る前に印象的な場面がありました。ロージー先生はまず生徒さんたちに片手を胸に、もう片方の手をお腹に当て、目をつぶるように指示した後、こうおっしゃったのです。

産後のママにまず意識して欲しいのは自分のお腹がいかにすごいパワーを持っているか。生命を宿し、育て、世に送り出したのですから!

忙しさからつい体に『もっと頑張れ!』と要求してしまいがちですが、そうではなく、頑張ってくれた体に『ありがとう』と感謝し、お返しをしてあげるような気持ちでヨガをしてもらうことが大切です。

また、同講座のアシスタントを務めてくださり、二児の母でもあるロッティさんは「産後ヨガはママ自身を包み込んであげること」とおっしゃっていたことが、リアリティがありながら思いやりに溢れていてハッとさせられました。

次回は来年の2月に開催予定です。産後ママの元気をヨガで応援したい方、ご自分の体のメンテナンスのために学びたい方のご参加をお待ちしています!