産前産後ヨガ実践編

産前産後期の女性の体はとてもデリケート。本当に安全かつ効果的なクラスをするには多くの知識とたくさんの女性を指導してきた経験が問われるため「産前も産後も、両方教えられます!」と言い切れるヨガ指導者はまだまだ少ないのが現状です。

そこで必要な実力と自信をつけるために注目したいのが産前産後ヨガのプロに与えられる資格、全米ヨガアライアンスの「RPYT85」です。この資格の取得に繋がる、年に一度しか開催されない「産前産後ヨガ指導者養成講座 -実践編-」をオススメしたい理由をまとめてみました!

一般クラスに妊婦さんが来たらどうする?がわかる

妊婦向けの椅子を使ったポーズ

3日間の「マタニティヨガ指導者養成講座」ではここまで踏み込んだ内容はやらなかった!実際に活かせることばかりなのが嬉しいし、一般のクラスで「妊婦さんOK」と言えたら間口が広がりますよね!

当日サポートに入ってくださった卒業生アシスタントも肉付けされた項目に喜びの声を寄せてくださいました。

皆さんはどうでしょう?急に妊婦さんがクラスに来て慌てふためいたことはありませんか?はたまた、マタニティヨガの資格を持っていても一般の生徒と一緒に妊婦さんを教えるのは至難の技。以下にポイントのほんの一部をご紹介!

<留意すべき事項>

  • バランスポーズを行なう場合、目眩やふらつきを起こす可能性があるので席を壁の側にするか、椅子を用意する
  • 座位や四つん這いのポーズを行なう場合、体に不快感を与えないため多めにブランケットを用意する
  • トイレに行く頻度が高いのでトイレに近い席に座ってもらう

<妊婦さんがやってはいけないポーズと調整法>

  • うつ伏せ→四つん這い、またはチャイルドポーズのバリエーションに
  • 仰向け→横向けのシャバアサナ、または上体を起こすためプロップスを使いリストラティブのポーズに
  • 強い後屈→座位で胸を開く動きに

アクティブバースを詳しく学び、マタニティヨガの効能やお産に関する知識が深まる

骨盤模型でアクティブ・バースの説明をする講師

アクティブ・バースとは1960〜70年代に起きたムーブメントです。

女性は古来より上体を起こして出産するのが理にかなっていることを本能的に理解していました。しかし産科医療の進歩の過程でいつしか出産は医療行為となり、今では病院や医者に任せきりの状態でするのがお産という概念が強いですね。

産科医療の恩恵に感謝しつつ、「女性たちがもう一度自分の内なる自然の本能と繋がって産む権利を取り戻す」これがアクティブ・バース運動の主なメッセージでした。

マリ先生の熱を最も感じられた講座内容のひとつがこの「アクティブ・バース」についての講義。

エジプトやペルシャ、フィリピン、アマゾンの原住民、ネイティブ・アメリカン等どの文明の出産の絵も、産む女性の上体は起きていて、周りにサポートをする人々が数名描かれています。(次回、講座を受ける方はスライドをお楽しみに!)

出産となるとママの体の中で何が起きているかが中心になりがちですが、ヨガ指導者として大切にしたいのは「赤ちゃんの視点」

アクティブ・バースの知恵には、スムーズなお産に向けていかに赤ちゃんをベストなポジションに持っていけるかのヒントが詰まっているんです。

なぜアクティブ・バースがスムーズなお産に良いかの根拠を示した上で、マタニティヨガの基本のポーズをひとつひとつとりながら、それをすることによって赤ちゃんのポジション(頭が下か上か、左か右か)にどういう影響があるのかを赤ちゃん人形を腹部に添えながら見せてくれました。

夫婦でできる!お産準備のためのヨガが教えられる

アクティブ・バースの資料

育児に積極的に関わりたいと考える男性が増える昨今、夫婦を対象とした「お産準備のためのヨガ」を教えるのも有効です。赤ちゃんが生まれる前から2人で出産に向けて取り組むことは、その後の子育てにも大きなプラスに!

講座ではスムーズなお産に向けてパートナーができる「お産時に役立つ実践法」をイラスト付きのハンドアウトを見せながら紹介!マッサージや体の触り方、呼吸法のサポートや声掛け等、細かなテクニックも大切ですが、最も重要なのは「パートナー自身がお産に貢献していると感じられること」です。

<パートナーがお産でできるサポート>

  • お産に挑む女性への接し方:
    -言葉のかけすぎで過度に刺激しすぎないように注意
    -彼女のために自分の呼吸音を大きくする
    -陣痛の波の合間に体を休ませる手助けをする 他
  • お産時に役立つ体の触れ方、マッサージ法:
    -触られることを拒否されても気にしない
    -広範囲の肌に対する軽いタッチでリラックスを深め、痛みや不安を軽減
    -痛みの感覚を和らげる手足のマッサージ、仙骨を軽く圧迫する、お尻をもみほぐすといった腰回りのマッサージ
  • お産時の集中力と落ち着きをもたらすマントラ:
    -お産が上手くいくと肯定するような声かけ
    例)「ひと呼吸、陣痛の波ひとつごとに赤ちゃんが近づいてきてくれている」「自分の体の生む力を信じる」他

後編へ続く>>