こんにちは。ヨガジェネレーションのがんちゃんです。
前回の来日の際、「シニアヨガ指導者養成講座」を担当するマリア先生はなんと義理のお母様のジルさんを連れてらっしゃっていました。とってもチャーミングな方で、講座中も基本ずっと座って聞いてらしたのですが、ジルさんはヨガ歴が40年程!自らシニアヨガの指導もされているそうで、アサナのセッションの際にポーズをとる姿を見ていたのですが、身体のラインがとても綺麗で股関節の動きもスムーズでした。
マリア先生としてはジルさんを「シニア世代の生の声を!ということで呼んだ」と冗談でいっていましたが、「あなたがヨガクラスに求めるものはなに?」と講座の冒頭で聞くとジルさんは下記のように答えてらっしゃいました。
「私のことを理解してほしい。そして休みたい時は休ませてほしい。」
続けてマリア先生が聞きました。「年寄りばっかりのヨガクラスに行きたい?」するとジルさん、すかさず「No!」おちゃめなやり取りに心があたたまりました(^^)
(写真について:右よりマリア先生、私、ジルさん、通訳の飯塚エミさん)
シニア世代の心理や習性を理解しよう
多くのシニアの方々は時間を持て余し、身体を動かしたいと思っているものの、何をしたらいいのかがわからないのが現状。そこに「ヨガをやるといいよ」と提案しても、アドバイスとして大雑把すぎて具体的なアクションがとれません。
それよりも、例えば「やかんでお湯を沸かす間に、ゆっくりとつま先立ちをしては踵を下ろす、を一日○回繰り返して」と言った方が効果的。指示を具体的にすればするほど、彼らはとことんやる。この習性を利用すべし!とマリア先生はアドバイスしていました。また、自分がやってみて「これは良い!」と思ったらもれなく友人や知人に勧めて一緒にやる習性もあるため、一人が始めたらヨガの輪は自然と広がるのだとか。
指導は”シンプルなことを楽しく”!
マリア先生のクラスでは赤いゴムチューブを用いて指導の実践をするのですが、オススメのエクササイズの一つがチューブを膝の周りを一周させ、膝を開いては閉じるもの。「これを30秒で何回できるか?」とゲーム制を持たせるそうです。すると日々繰り返し行う中で自然とその回数が増し、気がつけば膝の痛みが和らいだり、股関節の柔軟性がアップすることで歩行が楽になったりと良いことが起きるのだとか!
このエクササイズをあるシニアの生徒に教えたら数日後、早速友人にも教えたいがために「その赤いゴムチューブあと3本くれない?」と言われたそうです(^^)
ありきたりの誘導ではなく、日常生活の動作を比喩にして
瞑想の際、肩をリラックスさせるのに、普通のクラスであれば「首、肩を楽にしていきましょう。肩は後ろに引いたらおろして〜。」等と言いますが、マリア先生は違います。
「は〜い、それでは小さなリュックを背負うようにして肩を楽にしましょう〜」
私を含め参加者一同の心の声:「ち、小さなリュック?あ、でも言われてみればその動作をすると肩の力がすとんと抜ける!」と思わず笑いながらインストラクションに従いました。他の場面でも身体の部位に小さな子犬や赤ちゃんが乗っていることを想像しながらポーズを行うことも!みなさん笑いが止まりません。
ある参加者が、「生徒の緊張を解きたい時、ユーモアが大事なのはわかってるんですがなんて言ったらいいかわからなかった。すごく良いヒントになる!」と喜んでらっしゃいました。
シニアヨガの先にある「○○がまたできるようになった!」
マリア先生は自分のシニアの生徒たちが一度できなくなったこと、諦めていたことがまたできるようになることが何よりも嬉しいようでした。
例えばある男性の生徒は膝の痛みから杖をついて足を引きずるように歩いていたそうです。ですが、マリア先生のクラスを受け、彼女が勧めるエクササイズを地道に行ったところ、後日その生徒が「見て見て!」とぴょんぴょん跳ねながらスムーズに歩けるようになった様子を報告しに来たそうです。
話を聞いていて、シニアヨガで取り戻すのは”自分の身体への信頼”なのだと確信しました。そしてそれがどんなにか活力を与え、日々を明るくするのだろうと思うと「やはりヨガの可能性はすごい!」と胸が熱くなりました。
今日ご紹介したことにはいわゆるポーズ指導の話がありませんでしたが、講座ではゴムチューブを使ったやさしいヨガシークエンスの指導ももちろんありますし、ポーズの負荷の軽減法、そして安全な指導をするための解剖学の基礎もカバーします。そのあたりについてはまた書きます。大変人気ですので、お申込みはどうぞお早目に!