アーユルヴェーダ的な浄化に満ちた国・インド
「インド旅行で人生が変わった。」
「心も体もインドの大自然ですっかり浄化された」
旅行者が口々に話す理由とは一体どんなことだと思いますか?
2018年12月末。日本屈指のアーユルヴェーダ講師・福田真理先生がインドに滞在した14日間のお話を聞いて、その片鱗を日本にいながら少しだけ垣間見ることができました。
インドの浄化の秘密とは、アーユルヴェーダとヨガ発祥の地らしい、自分自身を深く見つめ、癒すための様々な生き物、自然、そして時間にあったのです。今回は福田真理先生が実際に撮影された写真とともに、現地で感じられた生の声をお届けいたします。
ヴィパッサナー瞑想でマインドフルな10日間
今回の旅の目的は「ヴィパッサナー瞑想」。ヴィパッサナーとはサンスクリット語で「物事をありのままに見る」という意味があります。ブッダが2500年前に再発見した瞑想法で、生涯継続していたのだとか。
外部との連絡手段を一切断ち、ただ自分自身を見つめる時間を瞑想センターの中で静かに過ごしたという福田真理先生。
人と眼も合わさず沈黙状態で無常、苦、無我を洞察する10日間は、これまでパターン化された思考や行動とあらゆる欲望を見つめ浄化していきました。全てにおいてマインドフルネスで、日頃あたり前にしている行動がどれだけのエネルギーを消耗しているのか、自分をどれだけ労っていなかったのか実感した時間でした。
1日12.5時間。睡眠時間を含めると19.5時間も目を閉じていたそう。普段、日常生活のために常に開いている五感を100%休める。これはアーユルヴェーダに伝わるインドリヤ(五感)を浄化する手法ととても親密な関係ですね。
五感は様々な不調の原因となっているとアーユルヴェーダでは考えています。そしてインドでは瞑想以外にもあらゆるものがその五感の浄化を助けたそうです。
ちっぽけな価値観から抜け出し、五感を休める場所
滞在したのがインド北部のとある山奥にある瞑想センター。そこでは滅多に見られないこんな光景もあったのだとか。
センターには野性の孔雀がたくさんいて、休憩時間に孔雀や猿やリスたちを見るのが癒しの時でした。実は鳥恐怖症なのですが、孔雀だけは大丈夫だったので(笑)、孔雀のあとをゆっくりついて行ったりしました。
瞑想センターではあらゆる活動が禁止されているから、実はそれもダメだったんですけどね(笑)、と付け足して。さらにこんなお話もされています。
孔雀が猿と同じ木でくつろいでたり、牛や豚たちと一緒にいたりするところを見たんです。同じ動物でも人間のように他者と比較することがないから、威嚇したり争ってなくてみんな自由にいる。人間もそうであったら、争いがなくなるんだろうなと思いますね
同じ種族である人間同士でも、互いの些細な違いを見つけては争う私たち。それに対して、全く外見の異なる種族同士が自由に共存し合う場所。社会生活の中で当たり前になっていた感覚を休めることで、そんな生き物本来の在り方、そしてその素晴らしさにも目を向けられるのでしょう。
それが可能だと教えてくれるのがインドの街並み。
自分と目の前のことを一つ一つ大切にする時間
10日間の瞑想を終え、その後の4日間をインドの街で過ごした福田真理先生。そこでは、人間のこれからの可能性を感じさせる光景が広がっていたと言います。
車に乗っていると隣にラクダがいたり。像がいたり。馬がいたり。牛がいたり。ハヌマン寺院に行ったら猿があちこちいて。リアルハヌマン(猿の神様)で、自然と笑ってしまいましたね(笑)
競い合わず、比べ合わず。あの山の上で見かけた猿や孔雀のように、「自由に共存し合うゆったりとした時間がそこに流れていた」と福田真理先生は言います。まるで時間が止まったような静かな街並みの中で出会う動物と人々。
スピーディーな日本とは真逆で全てがスロー。そのペースに触れると本来もっとゆっくりでも良いんだということが、写真から自然と伝わってきます。
ここは、本当の意味で五感を休ませる場所。私は普段やりたいことが多くて頭の中が忙しくなりがち。でもまずは目の前にある状況と関係に感謝しながら一つ一つ取り組んで、マインドフルネスな1年を過ごしたい。改めてそう思いましたし、今度はこの経験をより多くの人にヨガとアーユルヴェーダを通して伝えていきますね
本来の自分らしいペースを取り戻して、自分の時間を大切に生きる。まさにアーユルヴェーダ的な生き方を教えてくれる場所、動物、時間との出会いをシェアしてくれた福田真理先生でした。