グループトーク風景

他人事じゃない―実は身近な女性特有の病気に対してヨガ指導者としてできること。

こんにちは。レッドです。
先月、区から届いた子宮頸がん検診のハガキを持ってクリニックに検診に行ってきました。
実はハガキが届いたのは半年以上前なのですが、「いつか受けよう」と思っているうちに日が経ってしまったのと、予約を入れようと思って電話したら、なんと2ヵ月先まで予約が 埋まってしまっていた為、行くのが遅くなってしまいました。
気がつけば、最後に検診を受けたのはもう5年以上前。
それ以降引越しや転職などが重なり、忙しさを言い訳にずっと避けてきたのです。
検診の結果は陰性でしたが、自分の今の年齢も考え、「これは本気で、今後毎年ちゃんと受けないとだめだな」と思っていたところでした。

なので、今日開催された産婦人科医 高尾美穂先生による『女性のカラダの基礎知識』
のテーマである「女性特有の病気」については、お話を聞きながら深くうなずくことばかり。
すべてをご紹介することはできませんが、今日私の心に響いたところだけ、少しかいつまんでお伝えできればと思います。

本当はすごく身近な女性特有の病気

講座風景
高尾先生が講座の冒頭で、
「この講座はテーマ1からテーマ4まであるけど、4つのテーマの中だと、今回のテーマ”女性特有の病気”は他の回より集まりが悪いみたいなんだけど、その理由がよく分からないんだよね。」
そんなことをおっしゃってました。

参考までに各テーマを改めてご紹介。
テーマ1:女性ホルモンの基礎知識と更年期について
テーマ2:月経周期とそれに伴う症状について
テーマ3:女性特有の病気を知ろう
テーマ4:自律神経×ヨガを科学する

皆さんはどのテーマに一番興味がありますか?
この講座は、テーマ1から4まですべて受けていただきたい、どれも欠かせない内容なのですが、この「女性特有の病気」については、私もどこかで
「自分とはあまり関係がない」と思ってしまっていました。
この講座に出るまでは。

”お願いだから、早く見つけて。”

語る高尾先生
一番ショックを受けたのは、子宮頸がんの発症率のお話です。
現代医療がこれだけ進歩してきているにも関わらず、この日本で、子宮頸がんの発症率は年々増えてきていて、
現在、76人に1人の割合で子宮頸がんにかかっているという事実。

しかも、子宮頸がんは遺伝性のものではなく、ウィルス感染するがん。
誰にでも起こり得るのです。

さらにショッキングだったのは、早期発見できた場合の治療法と、発見が遅れて最終段階まで進んでしまった場合の治療法は全く次元が違うものであり、最終段階まできてしまったら、治療を行っても女性としての人生を生きる喜びはほぼ奪われてしまうということ。

だからこそ、早期発見が大事であり、「本当は2年に1回ではなく、年に1回検診を受けてほしい。超音波検査も受けてほしい」
日々医療の現場に立つ高尾先生の切実な願いが伝わってきました。

正しい情報を知れば、意識が変わり、行動が変わる。

笑顔の高尾先生
高尾先生の講座を聞いて思うのは、いかに自分の身体について無知であるかということ。
私たちは、知らないが故に、間違った判断をしてしまうことが多々あるように思います。

たとえば“不妊”に関する認識もそうではないでしょうか。
妊娠を望んでも2年叶わない状態を不妊としていたものが、昨年、その期間が1年に見直されたことはご存知でしょうか。不妊に対する定義が変わったのです。
しかし、ここで疑問なのが、その期間、本当に皆が適切な行動をとっているのかということ。
「妊娠しやすいのは排卵日ではない」というのは既にご存知の方も多いかと思います。
正しくは、排卵日の2日前が最も妊娠しやすいタイミング。
本当に知るべき正しい情報にアクセスできていないという理由で、”間違った不妊”に悩んでいる人も、案外多いようです。

低用量ピルの使用や、ワクチンの使用についても同じで、なんとなくの理由で毛嫌いしている方もいらっしゃいます。

正しい情報を知り、現代医療の恩恵をうまく取り入れることで、広がる選択肢もたくさんあるということ。

高尾先生がおっしゃっていた「別の選択肢を選ぶ勇気」という言葉が印象的で、私たちはもっと視野を広げてみていかないといけないと感じました。

「学校では教えてくれなかった…」「誰にも相談できなかった…」
きっとたくさんいるであろう、そんな周りの人たちに、私たちができることって…?

ヨガインストラクターだからこそできること

アジャストする高尾先生
ヨガインストラクターという仕事は、ただヨガのポーズを教えるだけでなく、ヨガを通して目の前にいる生徒さんの心と身体の健康に対して色々なアドバイスができるという立場にあるということ。

自分自身、ヨガを教え始めたことで、既にその立場にあるのだと、改めて身が引き締まる思いでした。
高尾先生自身、「医師として、周りにいる30人をケアすると決めている」
そうおっしゃっていました。
例えば、隣に住むおじさんが調子が悪いと言っていたら診てあげるのが、医師としての当然の役目だと。

ヨガインストラクターは、医師ではないため治療行為はできません。
でも、病院に行くほどではないけれど、不調を抱えている人、身体に何かしらの悩みがある人というのは、きっと身近にたくさんいらっしゃいます。

そんな人たちにとって、ヨガインストラクターという存在は最も身近な相談役であり、いい意味での“お節介”を焼ける人になり得るのではないでしょうか。

私も、身近な人や生徒さんに、「今年、子宮頸がんの検診ちゃんと受けた?だめだよ、ちゃんと行かなきゃ!」
って、ちゃんと言える人でありたい。

そのためには、私たちヨガインストラクターの意識を変えていかないといけません。
身近な健康問題について、もっと知る努力を重ねていかないと…。
集合写真

より多くの女性にとって生きやすい社会を作っていくために、
ヨガインストラクターとしてできること。
小さなことからはじめられること。
でもそれが、確実に大きな力になっていくのだという、“光”が見えた
そんな素敵な講座でした。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!