アーユルヴェーダで消化機能は「アグニ」と呼ばれる火
「朝起きるとなんだか胃もたれがする…」「いつも腸の調子が良くない…」現代人が抱えがちなこれらの問題の鍵となるのが、3日目となる今回のテーマ「消化力」です。消化機能のことをアーユルヴェーダでは「アグニ」といい、サンスクリット語で火を意味します。実は福田真理先生自身、一番大事に考えているこのアグニ。どのような生活習慣を身につければ上手に付き合えるのか、実践的な方法を教えていただきました!
ストレスとも関係の深い消化力
現代医学の研究では、ストレスにより消化機能が落ちるということが指摘されています。ストレス社会と言われる現代特有の症状と思われがちですが、実は5000年の歴史を持つアーユルヴェーダでもその関係性について深く説明されていると真理先生は言います。ではその仕組みとは?
心や記憶も消化している
アーユルヴェーダで言う「消化」とは、食べ物を分解する以外にもたくさんの意味があります。過去の記憶や、場合によってはトラウマなど、自分の中で整理して決着をつける作業にも実はアグニが関係しているのです。過去の出来事や不安に囚われてストレスが生まれ、そのストレスと関連の深い場所で不調が生じます。
つまり、アグニと上手に付き合って消化力を上げることは、不調の原因となる心のストレスを軽減させることにもつながります。胃や腸の調子以外にも様々な症状に効果が期待できるアグニ、整えるにはどうやらコツがあるようです。
消化のリズムを理解しよう
アグニは太陽の動きと同じサイクルで働いています。日の出とともに徐々に活発になり、昼の時間帯がピークです。朝は軽めの食事から始まり、昼12時頃にしっかりとお腹が空いてから1日のメインとなる食事を摂ることで効率良く消化のエネルギーを使うことができます!
ここでポイントは、体を冷やさないようにすること。アグニの活発な時間帯にあまり冷たいものを摂り過ぎると火が弱まり、消化しきれない場合があります。夏でも白湯などを飲んで、体の中を暖かく保つようにすると腸内環境がしっかり整います。
1日の流れに沿ったヨガ
アグニを活発にするには、太陽の動きに沿った流れでポーズを行うのが効果的!徐々にお腹を動かし始め、ピークに近づくにつれて腹筋をしっかりと温めるポーズを取り入れます。今回のクラスで挑戦したのはイルカのポーズ。頭立ちのポーズの練習用としてもよく使われますが、逆さまの状態で下半身を支えるためにしっかりとお腹を使います。
さらにチャレンジできる方はそのまま頭立ちもされていました。お腹の力や消化力に個人差があるため、その人によってどれくらいのポーズが必要かは異なります。自分の体調や調子を見極めてポーズを選ぶのもアーユルヴェーダヨガの特徴。最後はそれぞれがリラックスのポーズで、高まったアグニを落ち着けました。
今回整えたアグニが、実は4回目のテーマ「脂肪燃焼」にとても深く関わってきます。詳細は次回にて!