こんにちは。がんちゃんこと岩永です。
本講座は、高齢者が気軽に椅子を使ってできるヨガの指導法を学ぶものです。「体操とヨガの違いは?」「ヨガが高齢者にできることは?」については、ぜひ2016年3月の講座レポートをご覧いただくとして、今日はいかにこの講座が楽しく、実践的であるかのお話をします。
とにかく笑いが絶えない!思わず笑顔がこぼれるいずみ先生の指導
働き盛りの我々とは人生経験も価値観もまるで違うシニア世代。高齢になればなるほど、身体の自由が利かなくなったり、大切な人を亡くしたりと身体的にも精神的にも大変な方も多いはず。そのような方々を相手にするのは大変そう・・。そんな思いでいたのですが、いざ講座に参加したら、いずみ先生も生徒さんもみんな笑顔。それは先生が用意したあらゆる角度からシミュレーションと実践を行う数々のアクティビティーの威力によるものでした。
お芝居でシミュレーション?状況を想像し、アクションに落とし込む
講座の内容はどれも興味深かったのですが、印象に残ったのは4人グループでのお芝居。1人がチェアヨガインストラクター、2人が高齢者の生徒AさんとBさん。そして最後の1人がチェアヨガに興味を持ってやってきた高齢者Cさん。教えている場所は地域の公共施設という設定です。
インストラクター役の課題は、「ヨガとストレッチの違いは?」や「身体が固い私にもヨガはできる?」というCさんの問いにたいしてわかりやすく答えよ、というものでした。するとCさん役はなかなか疑い深く、説得しようとしても様々な身体の症状を訴えてきます。「もう他で体操をやってるんだけど、それと何が違うのかしら〜?」「ここんところ本当に関節が痛んでねぇ〜、私なんかとてもできないと思うんだけど。」など。福島からいらした方は、ナチュラルな福島弁なまりでとても可愛らしいおばあちゃんを演じ、クラスは爆笑の渦に包まれました。
こうしたお芝居の他にも、「自分が年をとっていく姿を想像し、高齢者の喪失感を味わってみる瞑想」やいずみ先生によるチェアヨガレッスン、そしてチェアヨガ指導の練習など、次々と行われていきました。仲間と一緒に頭と身体を使って体験したこと、アウトプットしたことは、実際に指導をする際に必ず役に立つことでしょう。
全員でいずみ先生のチェアヨガレッスンを体験。派手な動きはなく、基本的には上半身を少しずつほぐし、血行をよくしていくポーズが多い。
チェアヨガを指導する際の注意点も網羅
その他、いざチェアヨガ指導を行う際のリスク管理のお話も。そもそもの参加対象者の設定、怪我人が出ないための注意事項、運動中止規準を設ける必要性等、事故が起こる可能性を常に考慮して準備をすることの大切さを丁寧に説明してくれました。
いずみ先生の本をスタジオで取り扱っておりますのでお手にとってご覧ください。(表紙の美しい女性は、なんといずみ先生のご祖母さまだそうです!)また、本はすでに読んでいるという方は、ぜひいずみ先生の講座を体験していただければと思います。本にはないポーズの指導も行われます♪
まとめ
講座によって生徒さんのカラーが違うことがいつも興味深いですが、本講座に参加された方はあたたかく、包容力があり、相手に「与えよう」という姿勢が印象的でした。
私の祖父母もそうですが、シニア世代は「自分はこうでなくては」とか、他人と比較することで自分の優劣を判断するといった価値観の方が多いように思います。よって、ヨガの「手放す」「ありのままの自分を受け入れる」「判断をしない」という価値観を伝えるのは難しいのではと思っていました。ところがいずみ先生と生徒さんたちを見ていて、彼女たちが愛をもって根気よく働きかければ、いつかきっと通じるのだろう、そんな希望すら感じました。
中央左:アシスタントの小宮山さん、中央右:山田いずみ先生
素敵な時間をご一緒させていただいたことに感謝いたします。
みなさんの指導を通して、1人でも多くのご高齢者が笑顔になれますように!
いずみ先生、そしてアシスタントの小宮山さん、本当にありがとうございました。