心の病とお薬事情

ヨガ業界に長くいると、できればお薬は飲みたくない、何とか自然の力で治したい。という声をよく聞きます。もちろん、それを否定するつもりはないのですが、病気によっては、薬が必要な時もある。

罪悪感を感じずに飲んでもらいたいな~と思って、今日は、久しぶりに、精神科専門医の松島幸恵先生をお呼びして動画撮影をしました。テーマは「心の病と薬について」。

こんにちは、ヨガジェネレーションのべーです。

滅多に専門医の先生から直接お話を聞けることは少ないので、記事にもしておこうと思い動画を見つつこれを書いています。

動画で視聴したい方はこちらから

日本初!精神科×ヨガスタジオが併設。オリーブメンタルクリニック

池袋オリーブメンタルクリニック|心療内科・精神科
幸恵先生のクリニックとスタジオ

日本初のメンタルクリニックとヨガスタジオが併設した施設を持つ、松島幸恵先生。実は弊社の代表:MIKIZOのビジネス講座卒業生でもあります。

そんな幸恵先生と一緒に講座を始めて4年が経ちました。

先日、久しぶりに東京で逢って、この撮影をしていたのですが、相変わらず優しくて明るくて、私は心の病になったら、絶対に幸恵先生のところに行こうと思っています。(縁起でもないけれど)

相変わらずメンタルクリニックは、忙しそう。松島先生のクリニックがあるのが、池袋という立地もあるのか、比較的若い年代の方の来院が多いようです。(皆さん勉強やお仕事で疲れているんですね…)

精神疾患と薬について。ズバリ聞いてみた

松島幸恵先生とMIKIZOA

「薬」と聞くとできれば飲みたくないもの。という方もいらっしゃるはず。体も心もそうですが、病院では西洋のお薬を処方されることがあります。松島先生に、薬事情をお伺いすると

お薬は、安定して効いてくれるというのもありますし、薬が欲しいっていう方もいらっしゃいますね。必要な人には必要です。

とのこと。でも、そもそも、メンタルクリニックにはどんな方がいらっしゃるのでしょう。

薬を処方する症状トップ4を聞いてみた

第1位は不眠

薬を処方する症状として、トップは、不眠ですね。皆眠れていないんです。

と松島先生。2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)の平均睡眠時間の各国比較によると日本は先進国33カ国中、何と最下位。

内閣府男女共同参画局コラム1 (図5)睡眠時間の国際比較より

寝る時間がない、という方はもちろん、「眠れない」という方が多いのが現実。それで皆さんお薬をもらいに来るのですね。

第2位は不安障害

第2位は不安。パニックになってしまう、何でも不安になってしまう、不安障害グループです。人前でお話するのが怖い、という方もいらっしゃいます。

これにはお薬がよく利くそう。動画の中でMIKIZOがいろんな不安を話していますが、不安障害は、コロナの頃にもよくいらっしゃいました。感染することに対する不安は社会問題にもなりましたよね。

第3位:気持ちが落ち込む

第4位:体の疲れ。

第3位は気持ちが落ち込む、ですね。鬱病、もしくは適応障害ですね。第4位は体の疲れですね

と松島先生。これには西洋のお薬ではなく、漢方薬を処方することが多いそうです。

本当は薬を飲みたくない。でも、それってどうなの?

白い錠剤

「でも、我々、ヨガ業界の人は、ナチュラルな生活がしたいっていう人が多いと思うんですよ。できれば薬は飲みたくないって言う人も多いんじゃないかな。」

と弊社の代表のMIKIZOも話していますが、そんな方はMIKIZOだけじゃないはず。それに対して、松島先生はこんな風にお話をしてくれました。

そうですね、医学にはガイドラインっていうのがあって、それを逸脱することはあまりしないんですよね。例えば眠れないとかだったら、睡眠の教育をして、それできちんと薬を飲んで頂くというのは、ガイドラインでちゃんと決められているものなんです。なので、安心して医療を受けていただければと思います。

決してお医者さんが、自分の私腹を肥やすためにお薬を出しているわけではない、ということをわかってもらえたらな、と思います。

漢方薬という手段も。気になる方は相談してみよう。

生薬

それでも薬を飲みたくないという方に、薬を入れるわけにもいかないので、そんな方には漢方がおすすめです

と松島先生。長い歴史の中で生薬の種類、量、組み合わせなどが工夫されて、薬として確立されたものである漢方薬。最近では、普通の病院でも処方されることが多くなってきました。

更年期障害とか女性の月経関係の不調にもとても漢方が良いお仕事をしてくれます。西洋医学ではカバーしきれない部分に結構効きますね。

ヨガの先生で、松島先生のところに来院される方も多いそう。自然由来のものである漢方には入っていきやすい方も多いのではないでしょうか。

もちろん、漢方では対応できないこともあります。例えば、電車に乗れない、会社に行けなくなっちゃう、引きこもってしまう。そんなときは西洋のお薬が必要なこともある。一定期間、お薬をきちんと飲んで、社会復帰するということも視野に入れていきましょう。

先生と”一緒に”治療方針を決めていく。自分に合った治療法を選ぶ時代

YouTube撮影しているMIKIZOと松島先生

最後に松島先生が大事なことを教えてくれました。

いろんなことを患者さん側が選択するという時代になってきています。患者さんとお医者さんが一緒に治療方針を決めていくという方が主流なんですね。

昔は、お医者さんに進められた方法で治療をしていくのが主流だったそう。今は一緒に治療方針を決めていけるのは安心ですよね。

今月9月にはヨガ×精神疾患という、松島先生の講座が開催されます。病気のことだけでなく、こういった知識も知っていると、身近な人にも「最近はこうらしいよ」とお話してあげることができますよね。

ヨガの先生ができることは限られています。お医者さんにお任せするのが原則です。

でも、こういった業界のことを少し知っておくだけで役立つ場面もあります。松島先生の講座は、ヨガをやっていない人でも来て頂ける講座ですので、運動療法などに興味があるという医療従事者の方も、ぜひお越しください。きっと充実した学びの時間になるはずです。


ヨガ×精神疾患:9月22日(日)9:30~13:30


松島幸恵先生による心の基礎知識