目次
2020年12月。コロナ真っ只中の頃に初開催となったのが、精神科医:松島幸恵先生が開催している「ヨガ×ポリヴェーガル理論」。
自律神経系を理解する上では画期的であり、新しい概念だったため、ヨガ業界でも皆が気になり当初、オンラインでお申込みが殺到しました。
こんにちは、ヨガジェネレーションのべーです。
一般的に、よく知られているのが、自律神経には交感神経と副交感神経があって、2つの神経がお互いにバランスを取り合って私たちの生命を維持してくれているという理論。これはこれで間違いではありません。
しかし、今回お話するのは更に、その先にある理論。前述した副交感神経を語るには『腹側迷走神経系』と『背側迷走神経系』という2つの迷走神経がキーとなってきます。
まずは交感神経と副交感神経のおさらい
私たちの生命維持に重要な役割を持っている神経。自律神経については、皆さんご存知の通り、血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節している神経系のことを云います。私たちが意識しなくても、自動的(自律的)に働いています。
この自律神経の中で、交感神経と副交感神経というのが、前述したバランスを取っている神経系です。
交感神経:心拍数を増やし、心臓の収縮力を高め、呼吸がしやすくなるように気道を広げてくれる役割を果たします。これにより、蓄えられたエネルギーが体から放出され、筋肉に大きな力が入るようになります。逆にこの神経が働いているときは、緊急時にあまり重要でない機能(消化や排尿など)を鈍らせます。
交感神経が優位な状態が続くと便秘になるという話を聞いたことがある方がいるかもしれません。これには、こういった背景があるのですね。
副交感神経:一般に、エネルギーを温存し、体を回復させる役割があります。副交感神経系は、心拍数を減らし、血圧を低下させます。また、消化管を刺激して、食べものの消化や不要物の排泄を促します。
いわゆるリラックスモードの時ですね。皆さん「現代人は、交感神経優位な時間が長い」という話を聞いたことがありませんか?交感神経と副交感神経のバランスを崩してしまうと様々な不調の原因にもなります。自律神経失調症や更年期による自律神経の乱れ、など、聞いたことがある方もいらっしゃいますよね。
迷走神経って何?
では、冒頭でお話した迷走神経というのは、どんなものなのでしょうか?実は副交感神経のうち約75%をしめるとも云われているのが迷走神経。
迷走神経は、複雑な神経経路を形成してさまざまな末梢器官に広く張り巡らされています。内臓(胃、小腸、大腸や心臓、血管など)に多く分布し、体内の環境をコントロールしている神経です。
この迷走神経はポリヴェーガル理論によると2つの迷走神経、「背側迷走神経」と「腹側迷走神経」とに分かれます。
凍てつきモードの背側迷走神経とリラックスを司る腹側迷走神経
副交感神経といえば、優位にするとリラックスするというのがイメージにあったのではないでしょうか?しかし、それだけではない、というのが、このポリヴェーガル理論の新しいところ。
背側迷走神経:背側迷走神経とは、進化論的には最も古い神経といわれています。消化、睡眠、排泄、生殖機能、身体の回復などを司りますが、そのほかにも、危険なときに身を守るために凍てつく、解離するという役割も担っています。
腹側迷走神経:哺乳類以降に進化したといわれる、新しい神経。社会交流システムとしての(人とのつながり)副交感神経系。呼吸、心臓、表情、発声、聞き取りを司ります。私たちが他者と関わるときに、相手の表情や声から「安全である」と感じ、「絆」を感じるときにこの腹側迷走神経が優位になっていると言われています。
これらの神経を私たちは無意識のうちに使っているということになります。
精神科医:松島幸恵医師が解説!ポリヴェーガル理論最新
これを前提に、詳しく説明をしてくれているのが、松島先生のYouTube動画。
動画では、私たちの進化の過程に沿ってこの神経系を説明してくれています。これを知ると私たち人間が真の意味で「リラックスモード」の状況にいるには、何が必要なのかというのが自ずとわかると思います。
次回の記事では、この松島先生のYouTube動画を基に記事を書いてみようと思いますので、まずは動画を見てみてくださいね!そして、もっとしっかりと知りたい方は、ぜひ、ヨガ×ポリヴェーガル理論へ。
幸恵先生がご自身のスタジオで、実践されている症例などもご紹介頂くので、ヨガの先生にはぜひ聞いておいてほしいお話がたくさん出てきます!
記事の続きはこちらから
ヨガ×ポリヴェーガル理論
11月24日(日)9:30~13:30
参考文献
- ステファン・ポージェス『ポリヴェーガル理論入門』(春秋社、2018年)
- 浅井咲子「今ここ」神経系エクササイズ(梨の木社、2019年)