マリアカースティン

ヨガ指導者自身がメンタルヘルスへの確かな効果を体感すること

ヨガ指導者の皆さん、近頃の”ご自身”のメンタルヘルス(心の元気)はいかがですか?メンタルヘルスのためのヨガについて考える以前に、ヨガ指導者が精神的に疲弊していたり、心に余裕がなければ良いヨガクラスはできないことは容易に想像がつきますね。

そこでいよいよ「今求められる!メンタルヘルスケア ヨガ指導者養成講座」を初開催するために来日されるマリア・カースティン先生にメンタルヘルスをケアするヨガで大切なことを聞いてみました!

彼女がまずあげた1点目は下記の通り。

ヨガ指導者自身がヨガのプラクティスを通じてしっかりとメンタル面のマネジメントができているべき、ということ

ヨガというとどうしても体への働きかけに意識がいきがちですが、本来ヨガはマインドの波を落ち着かせるために考案されたもの。また、私たちは「健康に気をつける」といった場合も、やはり身体的な健康を意識しがちです。そこでマリア先生はこうおっしゃいます。

私たちは五体満足であれば、精神面の健康は自然に備わっているものと思い込みがち。ですがそんなことはなく、毎日のケアがとても重要です。

メンタル面をケアするために難しいヨガは必要ありません。呼吸に合わせて腕を上げ下げするなど、呼吸を中心に据えたシンプルなプラクティスで十分。こうしたヨガの絶大な効果を、ヨガ指導者は実体験として持っていることが非常に大切ですね。

クラスを進める際は「ゆっくり」、参加者に「選択肢」を与えながら

スロー

クラスの大半の生徒さんが健康上の問題がなければ、ハイペースで負荷が強いヨガでも良いでしょう。ですがメンタルヘルスの悩みを抱えた方にヨガを伝えるならば、まずはペースを落とすことを意識しましょう。

メンタルヘルスの悩みを抱えている方は、自分を取り巻く状況をコントロールできないことが一番のストレスになっている場合がほとんど。クラスのペースを落とすことで、「焦ってついていかなければならない」「ついていけない自分はやはりだめだ」と思ってしまうような状況を作らないようにしましょう。

加えて、選択肢を与えることも重要です。例えば繰り返し「自分のペース」で反復できるような簡単なポーズはオススメ。それから何か発作が起きてしまったり、気分が悪くなってしまった時には自由に入退室しても良いことを伝えてあげましょう。

ヨガ指導者の役割は明確に。禁忌事項も要チェック

チェックリスト

メンタルヘルスの悩みに寄り添うヨガを教えるといっても、ヨガ指導者は医療の専門家ではないことを忘れないこと。踏み込んでケアをしたい生徒さんがいるなら、彼または彼女がかかっている専門医や医療担当者と連絡をとり、連携することも視野に入れましょう。

また、生徒さんが抱える症状によって効果的なヨガや呼吸法、禁忌事項は異なります。目の前の生徒さんにとって何が一番効果のあるプラクティスかをしっかりと理解した上で行ないましょう。

メンタルヘルスのケアの鍵は参加者の「主体性」

夕刻にビーチでヨガをする人

現代ヨガはテンポが速く、ポーズの難易度が高い傾向にある上にそこへ外見の美しさをも理想とする風潮があることは否めません。場合によっては、メンタルヘルスの悩みを抱えている方にとってヨガは自分を否定するきっかけを増やすことなってしまう可能性があります。

そこで肝心なのが生徒さんがヨガで安全かつポジティブな経験を積むこと。自分に合ったプラクティスを見つけ、しっかりと体の声を聞き、自分で何が心地よく、安心して取り組めるのかを判断できるようになることです。そうすれば自然と「ヨガをしたい、ヨガで自分のメンタルヘルスの悩みをケアしたい」気持ちが湧いてきます。

すぐに効果が現れなくても、その時が来るのを気長に待つのも、ヨガ指導者の役割と言えるでしょう。

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