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「体には〇〇の悩みがあり、冷えやむくみを感じています」
「●年前に出産し子育て中、今は〇〇のような悩みがあります」
2021年4月、オハナスマイル祐天寺スタジオにて佐久間涼子「THE BASIC|ザ・ベーシック」基礎トレーニング実践プログラム(全6回)の第2期がスタートしました。
私も、昨年のリハーサルに続き、第2期のアシスタントとして、参加をさせていただきました。
コロナ禍において、先生や生徒さんと同じ空間にいる!という事自体が久しぶりなこと。
人と直接やりとりができる雰囲気も相まってか、それぞれの人が、日頃から人に打ち明けることなく自分の中で押さえ込んだり、がまんしてきた悩みが、少しずつ殻をやぶって流れ出していく…
初めに行われた自己紹介はそんな時間でした。
骨盤の前後傾、体重の左右の偏り…端々に現れていた自分の今の状態への理解が、THE BASICのスタート
クラスの最初に配られた写真と涼子先生からのコメント。
実は、生徒さんには事前に自身の立ち姿と靴底の写真を提出していただいており、それをもとに涼子先生が分析された体の状態が書かれていました。
骨盤が前傾ぎみなのか後傾ぎみなのか?体重のかかり方はどうか?
姿勢や靴底の減り具合といった、今を知るヒントから現状を把握。
各自のテキストの1ページ目に写真を貼ると、今後のプラクティスへのやる気が一層高まります。
自分の体と向き合う第一歩をふみだしたような瞬間でした。
生徒の変化にすぐ気づく。涼子先生ならではの、類まれなる洞察力とは。
「〇〇さん!お尻が変わってきた!」
「〇〇さん、足の形が変わったね!」
スタジオに足を踏み入れたとき、休憩中…様々なタイミングでかけられる涼子先生からの言葉。
見た目でわかる筋肉の量・形ばかりか、その質や、ときには温度に至るまで…自分でも気づかないようなポイントでも的確に教えてくださるのは、まさに現役の鍼灸師でもある涼子先生ならではだと感じます。
グループで行っているTHE BASICですが、こうした個別の変化やアドバイスがもらえると、プログラムはまるでパーソナルトレーニングのようにさえ感じられます。生徒さん達も表情が興味津々、ますますやる気が上がっているように見えました。
体に全然、力が入っていないよ!何かありましたか?
私自身も、第2回のTHE BASICの際、このように声をかけられました。
ウェアの色が変わるほどしっかり汗をかき動いていたので、少し意外な一言でした。
でも、人間、聞かれることをきっかけに話せることもあるもの。その言葉に導かれるように、私は自分の状態を話しました。自分で自分のことを”大丈夫だ”といつも通りふるまっているつもりだったけれど、THE BASICが始まった4月、気持ちの整理がおいつかないことが続き、実際は気持ちの蓋が開きっぱなしのような、「心ここにあらず」の状態が続いていました。
感情が止まっている。まずはぜんぶ吐き出すこと。不安も感情も、全部。
まるで、体から心を見透かされたような感覚でした。そのわずかな変化に気づく涼子先生の洞察力に驚きながら、そして張りつめていたものがほんの少しだけれど自分の中から溶け出せたような動きを感じました。
弱さを直視すること。くやしく、つらいが自分と向き合う時間と、仲間の姿からの良い影響。
プラクティスの時間。スタジオ中に、凛とした真剣な空気が張りつめます。
シンプルな動きが多いTHE BASICのプラクティス。しかし、意識することがとてもたくさんあり、おなじみの動きであったとしても、難易度が様変わりします。
例えば、ハイプランク。
形としてはとてもシンプル、ヨガでもよく出てくるポーズでもありますが、THE BASICはそこに体の奥の奥まで使うような動きが加わります。
もう無理・・・!!!
と、気持ちが負けそうになり、思い知るのは自分の弱さ。
ぼたぼたと落ちる汗で変わるマットの色。先生の合図で膝をおろし、目にまで入った汗でにじんだ視界で周りに目をやると、もし挑戦するならあと1セット――という合図でまだ挑戦を続けている生徒さんが目に飛び込んできました。
まさに、自分自身に挑戦するような時間。
私自身、すぐには起き上がれないほど限界までやり遂げたつもりでしたが、その生徒さんの姿を目の当たりにしたとき、「私は本当に、やりきれていた?」という自問自答がわきあがってきました。
「うめき声をあげたっていい。かっこよくなくたっていいんです」
という涼子先生の言葉。
もう一度膝を上げ、そのときの限界にもう一度挑み直してみた人は、私だけではありませんでした。
THE BASICの練習は、とことん「自分」と向き合い続けるもの。でも、同じスタジオでお互いの息遣いが感じられる距離で練習したからこそ、影響し合えた瞬間でした。
弱さを燃やす——。
そんな表現がぴったり当てはまるような感覚が、その後のプラクティスや宿題を進める上で、あきらめそうになる気持ちを何度も奮い立たせてくれました。
いつしか、体の変化に夢中に。毎日のプラクティスは、体にとことん正直だった
目では見えない筋肉、見えない骨。しかし体感覚は日に日に研ぎ澄まされていくようでした。
THE BASICは毎日家でも宿題を実施し、それをアプリに入力しながら涼子先生とも共有するのですが、後半になるにしたがって、よりその感覚についての記述が増えていったように思います。
さらに、途中から測定をし始めた体組成計のデータもでも筋肉量は増加し、基礎代謝も上がり、おまけに体年齢は3歳も若返るなど(!)しっかりと結果がついてくるものでした。
しかし、多忙のため2日練習を最低限の回数にした途端…体が重く、力が分散してしまうのを感じます。
体の感覚が以前より繊細に捉えられるようになったからなのか、その変化の正直さにますます気づきやすくなるように思います。
なんて体って正直なんだ…
ごまかしの効かない体の正直さを前に、宿題を軽減する後悔や体の重さよりも、一段階上までがんばって練習したあとの達成感と体の軽さを得たほうが何倍も心地が良いことに気づき始めました。
次第に、プラクティスが「つらい!でも今日もやろう!!」というものすごく前向きな気持ちに変わっていきました。
2週間に1回あつまるメンバー同士でも、互いの体の変化に興味津々。
劇的な変化を遂げたビフォーアフターの写真をみんなで覗き込んで「え!?え!??もう一回見せて!!」と盛り上がったり、お腹の筋肉を一言お断りして触らせてもらったり(笑)。
その関係性は決して慣れあいではなく、自分のプラクティスへのやる気につなげるような貪欲ささえ感じるほど、皆、自分の体のことに夢中になり、その表情は初日よりきらきらとしていました。
外から内へ。他から自分へ。THE BASICのプラクティスは、とことん自分のための時間。
自分で自分の体のことをしっかり診て、自分の体を自分で作る――。
3か月に渡り、6つのテーマを通してより深くいろいろな面で診て鍛え続けた毎日。
6回の講座はもちろんのこと、毎日の宿題を通して繰り返してきたプラクティスによって、それぞれいつしか、自分のためのプラクティスが毎日に浸透してきました。
〇〇が痛い、△△が不調…以前の私は自分の”外”に、うまくいかない理由を探していました。
今は、自分の体に希望が持てます。
最終日、生徒さんの一人が口にしたこの言葉。
人のためではなく、自分のために時間を使っているか
と涼子先生が続けます。
人から自分、すなわち外から内――。
THE BASICが3か月間、体を通して実践してきたことが集約されているようなキーワード。
できれば見たくない弱さを直視するつらさや、一見、蓋をしたほうが楽だと思ってしまいがちな思い。
でもそれらから逃げずに真正面から向き合った先には、やってみなかったらわからない一本軸が通った「自分」がいることの心地よさがありました。
私にとって2回目のTHE BASIC。
それはやはり、自分が自分で毎日をまた作っていけるという自信、そして仲間として一緒に過ごさせていただいた生徒さんの変化を以てしても明らかな、自分の体に自分でエンジンをかけるような、自分で体を、そして心を変える体験でした。
現在、産休中の佐久間涼子先生。産休明けの2022年4月開催、佐久間涼子「THE BASIC|ザ・ベーシック」基礎トレーニング実践プログラム(全6回)では、ぜひご自身の体でこの体験をしてみてくださいね。