この3年間、コロナで大きく変わったことの一つに、「オンライン化が進んだ」ということがあるのは間違いない事実です。でも、コロナがパンデミックを起こさなかったら、きっとこんなに急速にオンライン化は進まず、定着もしなかったと思います。今の状況は2019年のコロナ前には予期していた人はごくごくわずかで、多くの人にとってはまるで10年も時代が進んだように感じているのではないかと思います。
その一方で、このコロナ禍に大きく人気がでたものに、アナログレコードとカセットテープがあるのをご存知でしょうか?スマートフォンに何万曲という数の音楽を入れられるのにも関わらずです。
先日、開催されたヨガ解剖学講師:内田かつのり先生による「アナトミック骨盤ヨガワークショップ」の冒頭で、内田先生はアナログレコードのお話からシークエンスに入りました。
アナログレコードにしかないもの。それはヨガにも通じる?
アナログレコードにだけあるものはなんでしょうか?制作側が世界観を表現するために作るジャケット。音楽が刻みこまれている円盤。プレイヤーが必要なので、移動中や外出先では聞くことが難しい。デジタル化が進む中で、一見、不便そうなものが特別感を出しているのかもしれません。
内田先生はそれらに加えて、「アナログレコードにしかない周波数」のお話もされていました。データでの音楽には記録されない領域がアナログレコードにはあるようです。この領域があるから、アナログレコードの音には暖かみがあるようです。
それはヨガにも言えることかもしれません。
先生と生徒がいるからこそ、生まれるストーリー
ヨガをするという機能だけを果たすのであれば、YouTubeの動画などを見ながらやればいいのかもしれません。
でも、内田先生のアナ骨ワークショップを見ていたら、「それだけじゃないよな!」と改めて実感しました。初めての生徒さんとコミュニケーションをとる、一人一人の生徒さんへの緻密なアライメントのリード、「さかたのりこ、いいぞ!」という応援、きっとやるはずではなかったハンドスタンドの練習。
それらの全ては、内田先生と参加した皆さんがいなければ、決して生まれなかったものたちです。コール&レスポンスがそこに生まれるからこそ、展開があり、ストーリーが完成される。ヨガをしたということが印象に残るのではなく、「内田先生のリードで、ここまで前屈が深まった」「アナ骨で、限界まで頑張ったから、シャバーサナで爆睡しちゃった!」という、内田先生がいるからこそ、起きたことが印象に残るのだと思いました。
ヨガクラスで解剖学が必要な理由
内田先生が冒頭の話の最後に、「解剖学って乾いたものじゃないんだよね。」ともおしゃっていました。
解剖学と聞いて、皆さんはどんな印象をお持ちでしょうか?「筋肉や骨の名前を覚えなくてはいけない・・・」というネガティブな印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ヨガ解剖学講師の内田先生のヨガクラス(=アナ骨ワークショップ)は、人と人がそこにいて生まれる暖かさが確実にそこにあります。
そこでの解剖学の意味は、シークエンス・アライメントに根拠を持たせるものです。怪我をしないためのアライメント、痛みや違和感を軽減するためのシークエンス。それらが解剖学を学ぶと見えてくる。それはヨガクラスにおける、機能的価値を上げるものです。
その価値が上がることで、情緒的価値も確実に上がるのです。2月のアナ骨ワークショップを見て、内田先生が大切にしていることを改めて、実感することができました。
内田先生、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
4月7日(金)からは、「アナトミック骨盤ヨガ指導者養成講座」がオンラインで開催されます。人間にしかできない情緒的価値を感じられるクラスをリードできるようになりませんか?