ヨーコ・フジワラ×キャシールイーズ

これまで3回に渡り、ハワイのヨガトップティーチャーであるお二人の出会い、そして、出会ってからのお互いの変化や成長の様子を聞いてきた。
【特別対談1】~成長のきっかけ~
【特別対談2】~師弟関係が逆転~
【特別対談3】~指導者力と生徒力~
しかし最終回にあたる今回は2人の「ヨガ指導者」としての生徒に対する向き合い方、そして生徒に対する想いを聞くことにする。

私は私のままでいい

キャシー先生が笑顔でお話する様子

べーさんインタビュー用

これまでのお二人のお話を聞いていると、性格は全く違うように思いますが、ティーチング・スタイルは似ているのでしょうか?

キャシー・ルイーズ

そうですね、ティーチングのスタイルも大きく異なるように感じます。

ヨーコ・フジワラ

えー、私たちのティーチング・スタイルはそんなに違うかしら?

キャシー・ルイーズ

スタイルというより考え方や見方でしょうか。例えばある生徒がいたとして、お互いその生徒に指摘するポイントはきっと違います。

ヨーコ・フジワラ

確かに!それで思い出しましたが私がキャシーの代行を務めるようになった頃のことです。私より長い期間練習していた生徒さんも多くて、「キャシーでなくてごめんなさい!」と相当ビクついていました。

ですが何もしないわけにもいかないので「こうしたらどう?」と自分の気付いたことをある生徒に指導したら「そんなことキャシーに言われたことなかったけど、すごくいいかも!」と言われ「本当に?!」と驚きました。次第にそうしたフィードバックが増えていき、自信がついていきました。「私は私のままでいいのだ」と。

自分の得意なことを教えられる指導者に

ヨーコ・フジワラが笑顔で話しをしている様子

キャシー・ルイーズ

そう。アジャストの技術は真似てもらってもいっこうに構わないけれど、私のコピーになる必要などどこにもないのです。

ヨーコ・フジワラ

私がハワイで開催している「サンガワイ(ハワイでRYT200取得ヨガ指導者養成講座)」でも参加者に必ず言います。「あなたたちがヨーコ・フジワラになる必要はない」と。

日本の社会や教育システムのあり方が根本原因だと思うのですが「ヨガの先生という形」が存在しているかのような”前提”がみなさんの意識の中にあるのではないでしょうか。

ですがあったとして、そこに全員が当てはまるわけではありません。もちろん、例えば暴力的だったり人を不快にしたりするような振る舞いをする人は向かないでしょうけど。

最終的にその人が得意なことを教えたらいいと思います。それはハンズ・オンのアジャストや的確なインストラクションだったり、笑顔が素敵だったりすることかもしれません。得意なことを見つけてそれを磨いて欲しいということ伝えています。

生徒には自分を超えてほしい

ヨーコ先生とキャシー先生が一緒にプラクティスをしている様子

ヨーコとキャシーが2人でプラクティスをしている様子。

キャシー・ルイーズ

私も年齢を重ねて自分が何を教えたいのかが明確になったし、自分が信じていることを人前で話すことへの抵抗もなくなりました。ですが一番伝えたいのは私と同じにならなくて良いということです。

私はいくらでも情報を与えることはできますがそれを生徒は最終的に自分のものにしなければなりません。

ヨーコ・フジワラ

結局のところ自分とは何者なのかを探ることが大切で、それこそがヨガの原点ですよね。

キャシー・ルイーズ

それから指導者として生徒には自分を超えていってほしいです。そうしたら初めて指導者として良い仕事をしたと思えます。

ヨーコ・フジワラ

全く同感です。私も生徒に同じことを言っています。ただし「でも私も走り続けるし、全力で逃げるからね!」と。(笑)そう簡単には追い越させません。

性格もティーチング・スタイルも違う2人。しかし、手法は違えども生徒に向ける想いは同じだった。「生徒には自分を超えて欲しい」そう堂々と言える指導者はどれくらいいるだろうか?

生徒と指導者との理想の関係を育むには?

キャシーがヨーコをアジャストしている様子
生徒との関係に悩む指導者は多いと聞く。ではどうすれば、ヨーコ・フジワラとキャシー・ルイーズのようになれるのか。と思われるかもしれない。

答えは簡単。

「2人に会ってくれ。」だ。

2人に会いそして、2人の指導を受けてほしい。2人から溢れるエネルギーに触れて欲しい。これに尽きる。実際に2人が自分にどう接してくれるのかを自分自身が体験してみることが、自分と生徒との理想の関係を見つける近道だ。

私は全4回に渡って、この対談を編集してきて今、願わずにいられない。たくさんのヨギーがヨーコ・フジワラとキャシー・ルイーズに出会いますように。そして、2人の愛溢れる指導を受けることがありますように。そうすれば、きっとヨガ業界の未来は明るいに違いない。

この対談に協力して頂いた偉大なヨガ指導者のお二人に感謝の気持ちを込めて。