ポリヴェーガル理論の本を持つ、松島先生

精神科医である、松島幸恵先生と、精神科医による心の基礎知識~ヨガ×ポリヴェーガル理論~をやり始めて約1年が経ちました。これまで、計4回に渡って開催をしてきましたが、話合いに話合いを重ねていくことで、どんどん面白くなってきています。

「ポリヴェーガル理論?何それ?」

という方も、ヨガを指導する立場にいらっしゃる方も、これは考えたことがあるのではないでしょうか?「ヨガクラスの安全」。

これに繋がってくるのが、自律神経の新しい概念であるポリヴェーガル理論。今日は、講座を紹介しつつ、この「クラスの安全」についてレポートを書いてみました。

「安全」は理屈じゃ説明できない!?クラスの安全を考えてみる

安全って皆さん、なんだと思いますか?

と松島先生。

私が一番に脳裏に浮かんだのは

生徒に怪我をさせないこと。

スタジオで怪我をしないようにきれいにしておくこと。

と怪我のことばかり…。

松島先生も、「安全といえばセ〇ム」と話していましたが(笑)これらは、「頭で考えた安全」なのだそう。しかし、それもそのはず、現代人は、考えることを重要視しがち。

確かにそうですよね。私も記憶にある限り「ちゃんと考えて行動しなさい」「考えたらわかるでしょう」と言われて生きてきました、

なので、「安全であること」というのは、理屈で説明できるとばかり思っていたのです。

しかし、「安全」とは、本来、お金で買えるようなものでもなければ、理屈で説明できることでもない、「安全である」と感じられる感覚なのです。

安全か危険かの判断は無意識にしている!?

松島先生になら皆さん、きっと道を尋ねるのではないでしょうか?
松島先生になら皆さん、きっと道を尋ねるのではないでしょうか?

私たちは、出会ったときに感覚として、「安全か否か」を察知しています。例えば、「なんかわからないけど、あの人には近づくのはやめておこう」という感覚ってありますよね。

松島先生も講座の中で

道聞くときって、「あ、この人安全そう」って思って道を聞きません!?

と皆さんに質問していたのですが、本当にそう!無意識のうちに、この人は自分の味方になってくれるかどうかを判断しています。

これを、ニューロセプションと呼ぶそうなのですが、つまり、何が言いたいかというと、例えば、「この先生は解剖学をしっかりと勉強しているから安全」「このスタジオは、いろんな障害物が置いてないから安全」というだけではない、ということ。(これは、解剖学を勉強しない、とかスタジオを整理整頓しなくていいと言っているわけではありません。むしろ、どちらも大切です。)

しかし、私たちは相手の声のトーンや、表情、しぐさや姿勢から、相手の想いや状況をくみ取る力を持っています。

それらが、「安全」と相手が感じ取る上で大きな影響を及ぼしていることを忘れないようにしなければなりませんね。

コロナ禍で再確認。安心・安全には不要不急の交流が重要!

松島先生の優しい笑顔も皆を安心させてくれます。
松島先生の優しい笑顔も皆を安心させてくれます。

私たちは、コロナという未知のウィルスの蔓延によって、一時的に「不要不急の外出はしないように」と行動を制限されてきた、期間がありましたよね。

できるだけ、会わなくても良い人には会わないようにしていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、この「人と交流する」というところにこそ、「安心・安全の秘訣」があるのです。松島先生も、コロナ禍でずっとお会いできていなかった、先生に久しぶりに30分間お会いして、とりとめのないお話をしただけで、心がとても安定した、というお話をされていました。コロナ禍でこれと似たような経験をした方も多いではないでしょうか。

私たちは生まれてからこれまで、誰かの手を借りなければ生きてくることができませんでした。人間を含む哺乳類は皆そうですよね。生まれたばかりのときは、お母さんが全てを世話してくれるという中で生きています。そういった意味も、「誰か」の存在が非常に重要となるのです。

安全は脅威を取り除くだけで得られるものではない

迷走神経に良いエクササイズも教えてもらえます!
迷走神経に良いエクササイズも教えてもらえます!

本当の意味での安全は、最初の方で、私が「安全とは何か?」と聞かれたときに思い浮かんだ、「怪我」を排除したり、松島先生のセコムのように「外部からの侵入者」を排除するだけでは得られないということがわかりました。

更に、それよりも大切なのは、人との交流の中で生まれる「安心と安全」を感じられるということなのです。

ヨガに限らず、この「相手に安全を感じてもらえるように、相手に対する空気感も大切にできるといいですよね。

人は1人では生きていくことができません。誰かと関わり安心と安全を得られることが、私たちが生きていく上でとても大切なのです。

ヨガ×ポリヴェーガル理論では、こういったことはもちろん、実際に迷走神経を鍛えていくためのエクササイズや脳の仕組みのお話、中にはアーユルヴェーダの理論と合わせてお話をしてくださる場面もあります。

もし、興味を持って頂ければぜひ、受講してみてくださいね。

松島先生はご自身の治療の経験や体験をとってもざっくばらんにわかりやすくお話をしてくれます。次回のポリヴェーガル理論は、2022年3月の開催予定。それまでにも、精神疾患の講座、セルフコンパッションなど、「こころ」をテーマにした講義が行われますので、皆さん要チェックです!