ハワイの朝日の下でヨガをしている様子

海外でのヨガティーチャー・トレーニング(以下TT)は、世の中にあふれている。どれもなんとなく素敵だし楽しそうだけれど、違いがわからない。興味はあるけれど、海外のコースは遊びが目的みたいな印象で、ちょっと……。そんな人も多いのではないだろうか。

そんな中、日本のあらゆるTTをウォッチしてきたヨガビジネス界の先駆者・酒造氏が、「こんなTTは他にない!」と太鼓判を押すのがこのプログラムだ。ポイントは、場(環境)と講師のちから。そして、「ライフスタイルとしてのヨガ」だ。

 

オーガニックファームで、大自然に囲まれながら学ぶ

森林の中に建っている木造の家
学びの場は、オアフ島南西部に位置する有機農園「カフマナ・オーガニックファーム」。周囲をハワイの大自然に囲まれた、こだわりの宿泊施設やヨガシャラ(スタジオ)が拠点となる。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

目の前にドーンと農園があって、周りには山、朝は鶏の鳴き声で目が覚める。都会ではまず経験できないことだよね。

ヨーコ・フジワラ

カフマナは、今では私の第二のホームですね。農園や自然はもちろんだけど、ここで暮らす人たちが本当にあったかくて。「いつでもウェルカム!」という感じ。

このTTでお世話になるときも、「お金を払うからサービスやサポートをするよ」というんじゃなくて、「あなたたちのことが心から好きだからサポートしたい」という空気があるんです。

生活のすべてがヨガとつながる、稀有な環境

オーガニック野菜を使った料理
食事は、併設のカフェで、その日に収穫した野菜をオーナー兼料理長が丹精込めて調理したオーガニックフードをいただく。「食」の内容、場にも大切な意味があるのだ。

ヨーコ・フジワラ

私は食生活も大切に考えていて。アーサナのプラクティスが基本にあるけれども、動くなかで身体と、それをつくる食べるものにも自然と意識がいくものだと思うんです。そうすると、色んな気づきもある。ジャンクなものを食べていると身体が動かないな、とかね。

時にはハッピーなだけじゃなくて、嫌な面や痛みが出てくることもある。でも、まずはその「痛み」に気づき、向き合うことも大切。また、オーガニックフードを毎日食べることによってデトックス効果も大きく期待できます。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

カフェには、農園のウーファー(農業体験と交流のNGO=WWOOFのプログラムで、宿泊場所や食事を提供してもらって農業に従事している人)たちも来るんだよね。TTの参加者と同年代くらいの人が多いから、交流も生まれる。

そうやって、ライフスタイルの多様性を体感できる。ここでの生活そのものが、生き方を見直すことにつながっていくわけです。

メソッドではなく、ライフスタイルとしてのヨガを

生徒がダウンドッグをしているのを見守っているヨーコ・フジワラ
この環境だけでも魅力的だが、それ以上に酒造氏が熱を込めて語るのは、メイン講師であるヨーコ先生の素晴らしさだ。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

このTTが他と最も違う点は、教える側が、ヨガをメソッドとしてではなくて、ライフスタイルとしてとらえているところにあります。もちろん、ヨーコはメソッドとしてのヨガも、アシュタンガの先生として超一流の腕を持っている。でもそれだけじゃない。例えば、このTTの間、ヨーコは何時に起きるんだっけ?

ヨーコ・フジワラ

休日の土曜以外は、4時半。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

ひとりでこっそり起きるんですよ。何のためって、自分のプラクティスを2時間やるために。それに気づいた生徒が「どうして?」と質問するでしょ。

それに対してヨーコは「ティーチングはアウトプットであって、自分のためのプラクティスではないから。私自身のインプットのために、プラクティスが2時間必要なの」と答える。そこで、まず生徒の目の色が変わりますね。これだけ人気で実力のある先生でも、毎日練習するんだ、と。

生き方のすべてでヨガを実践

ヨーコ・フジワラとキャシー・ルイーズ
ヨーコ先生は、「こうしろ」と教えるのではない。自身の生き方を見せることで、ライフスタイルとしてのヨガを教えているのだと、酒造氏はいう。そこには、先述の食事や環境など、衣食住すべてが含まれる。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

ヨーコは、食べるものも、肌につけるものも、生活の仕方や考え方全てでヨガを実践してる人だよね。そして、ホノルルを歩けば「ヘイ、ヨーコ!」と皆から声をかけられるくらい、ハワイの土地でしっかり生きている。

旅行気分で海外に行くのとは全く違う。そういう先生の生き様から、生徒はたくさんのことを学べる。

しかも定員は11名という超少人数だから、ヨーコが全ての生徒の身体をタッチできるし、生い立ちまで理解して向き合える。

 

体感してヨガを覚える

サンガワイのプラクティス風景

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

教える内容については、どう?

 

ヨーコ・フジワラ

アーユルヴェーダとか解剖学とか、深めるきっかけになる情報はたくさんあげたいと思って組み立てています。でも、色んなトピックが根本ではつながっているということを、一番大事にしている。

TTってどうしても情報を詰め込んじゃうというか、トピックがつながらないとわかりにくいと思っていたから。それと、ベースにあるのは、ヨガは頭で覚えるものじゃないという考えかな。もちろん本で勉強もするんだけど、カフマナでは、勉強したことを体感できるんです。

例えば、お金は少ししかもらえないけど泥まみれで楽しそうに働くウーファーの子たちから、ヨガ哲学のサントーシャ(知足・ちそく/“足るを知る”を意味する)という考え方を学んだり。アーユルヴェーダの、自然と調和して生きるということも、都会のスタジオで勉強するより実感しやすいんじゃないかな。

ヨガジェネレーション代表:酒造博明が笑顔でお話している

この先生から、この場所で学ぶことにすごく意味があるわけです。TTを終えると、「ヨガを通じてこう生きたいと思った」という感想をよくもらうんだよね。サンガワイを卒業した人は、その後の生き方が大きく変わるはず。

 

「サンガワイ」の言葉に込めた思い

オーガニックファームの様子
「サンガワイ」の「サンガ」は、サンスクリット語で「コミュニティ(集い)」。「ワイ」はハワイ語で「水」のこと。水の波紋のように良い影響が広がっていくコミュニティを作りたいというヨーコ先生の思いが込められている。

ヨーコ・フジワラ

私自身、日本にいた頃は社会と葛藤して生きていたんですよ。型にはまることが嫌で対抗してた。でも、ハワイに来て大きく変わったのね。ハワイの人や土地から、良い影響をたくさんもらった。ある時、それを日本にもシェアしたいと思ったんです。

でも私ひとりでできることは限られているから、リーダーをつくるリーダーとして、水波紋の、最初の一滴になれたらいいなと。このTTに参加した方が、また波紋となって、広げていってくれたら素敵だなと思います。