エマ・グラント先生

ヨガを始めたきっかけの上位にあがるマタニティヨガ。これから「マタニティヨガのクラスを開催しよう!」「自宅で時間のある時に、自分でマタニティヨガをしてみようかな?」と考えている方も多いのではないでしょうか。

マタニティヨガを行う際に、「お腹を圧迫するようなポーズをとることは避けた方が良い」という感覚は何となくある方が多いと思いますが、それ以外には具体的にどんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

しっかり専門的に知識をつけることがベストですが、ここだけは押さえたい!という最低限のポイントを産前産後ヨガ指導のプロフェッショナルであるブリスベイビーヨガの講師に聞いてみました!

バランスが取りやすいよう、ポーズを調整する

4人の妊婦さんがヨガマットを持って立ち話している
毎日少しづつ何かしらの変化が身体の中で起きている妊婦さん。目で見てわかる一番の変化と言えば、お腹の大きさですよね。

実は、妊婦さんはお腹が大きくなるにつれ“毎日身体の重心が変化する”そうです!!

妊娠していなくても、毎日ヨガマットの上に立っていると、身体のコンディションによって重心の感じ方が変わりますが、それ以上に日々成長する赤ちゃんの大きさ・重さによって重心が変わってくるのです。

そのため、変化していく身体の重心に対応しながら、しっかりとバランスを取るには、一つ一つのポーズを調整していく必要があります。

立ちポーズでは安定感を大切に

ヨガマットの上に立つ女性の足元
例えば、立ち姿勢の基本であるタダーサナで考えてみましょう。

流派によって多少違いはあるものの、両足を揃えて立つことが多いですよね。しかし、妊婦さんの場合は、楽に感じる程度に足の間隔を開くことをおすすめします。

赤ちゃんの成長に伴って少し骨盤が広がり、足を揃えて立つのが窮屈に感じたり、違和感を感じることがあるためです。また、お腹が前に出ているので、足を開いていた方がバランスが取りやすいという点も大きいです!

その他の立位のポーズでは、壁や椅子を利用することもおすすめです。妊娠していない時のポーズの形こだわらず、身体に違和感を感じない、安定感のある姿勢を心掛けましょう!

姿勢の変化を把握し、必要なアプローチを選択する

キャット&カウのポーズをする妊婦さん
続いて、キャット&カウのポーズを例にしてみましょう。

まず、妊婦さんはお腹が大きくなると、自然と腰が反り気味の姿勢になります。おまけに、お腹の重さで腰には大きな負荷が常にかかっている状態です。

そのため、キャット&カウでは”腰は反らせる”必要はありません。通常腰を反らせるポーズの際には、腰は真っ直ぐのままで、顔を軽く上げて首や肩周りをストレッチするようなイメージで行っていきます。

今の姿勢を元に、「どの部位に負担がかかっているのか?」「どこをストレッチすると気持ちが良いのか?」などの視点でポーズやアプローチを選択し、しっかりと身体をケアしていくことが大切です。

妊婦さん自身の感覚を大切にする

たくさんの妊婦さんがあぐらを組んで座っている
妊婦さんがヨガを行う中で最も重要なことは、自分が「気持ちが良い」と感じる感覚を一番大切にするということです。

妊婦さんが10人いれば、身体の変化や感じ方も10通りあると云われています。

「今日の私の身体の状態はどうかな?何を必要としているのかな?」と、自分に問いかけながらヨガをしてもらうことで、お母さんになるための準備を進めている自分の身体と向き合うこと、そしてそれは赤ちゃんとの繋がりを意識する特別な時間となります。

また、妊娠をきっかけに起こる身体と環境の変化で疲れた心身を癒す、穏やかなひと時にもなります。

妊婦さんの健康のためにヨガで出来ることはたくさんあります!正しいマタニティヨガの知識を元に、安全に取り入れていきたいですね!