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ヨガ解剖学講師:内田かつのり先生。内田先生が「シニアヨガ指導者養成講座」をやってると聞くと、意外に思われる方もいるかもしれません。内田先生がシニアヨガでも伝えたいことは、「効かせる。」ということ。ソフトではなく、確実に結果を出すシニアヨガメソッドです。
開催されるまでの経緯と、内田先生のお母様への想いを伺ってきました。
シニアヨガを伝えるのはおこがましいと思っていた!?
内田先生が、「シニアヨガをやるのがおこがましいと思っていた」とおしゃっていた真意はなんですか?
アナ骨は強度高めのヨガじゃない?それがある程度認知してもらっていて。
でも、シニアヨガはソフトなものだっていうヨガ業界の風潮があったように見えていたから、そこをかき乱したくないなって思ってた。
確かにシニアヨガというとソフトなイメージはありますね。
そうそう。骨盤で、「歪まない」って言ってかき乱したでしょ?
だから、「シニアもか・・・」って思われるのがね・・・。始める前は申し訳ないなと思ってた。
シニアをやろうと決意したきっかけとは?
やるとなった決め手は、何だったんですか?
3年前だったかな。酒造さん(ヨガジェネレーション代表:酒造博明)から、「そろそろやらない?」って言われてさ。
そのタイミングでちょうど母が倒れてね。巡り合わせかなって。
そうでしたね。シニアヨガTTのテキストは、さかたのりこ先生(内田先生の愛弟子)のお母様が写っていますが、内田先生のお母さまと撮る予定だったんですよね?
そうだね。表紙の写真は2月に撮ったんだ。元々は1月に撮影しようとしてたけど、「寒いし、疲れてるから、先にしよう。」って僕が言ったんだ。
その表紙には、「今だからできることがある」と書いてありますね。内田先生自身が、「あの時にできることがあったな」と思うことがありますか?
あるんだけど、もう結果論なんだよね。例えば、もっと体にいい食事をしていたら倒れることはなかったのかな?って思ったとする。でもさ、それがストレス過多になることもあり得たわけでしょ?好きな物を食べられないという。
そうですね・・・。
いくらでも理想は言えるんだよね。母はファーストフードが大好きだったの。
「そんな食事をしたらどうなっちゃうの?」っていう観点から言うのもわかる。でもさ、「好きなものを食べてるからこそ、なんとか発散してまた笑える」っていうことがあると思うんだよね。
とっても理解できます。
人ってそういうものなんじゃないかな?
たばこでも お酒でも、全部が全部理想通りには生きられないと思うんだ。
それができてないから弱いとかじゃない。それが僕の考え。
内田かつのり、母を語る。
お母様のことを少し教えていただけますか?
母は78まで現役で仕事した。しかも週6!普通のサラリーマンより長い時間働いてた
何のお仕事をされていたんですか?
八百屋さんで、お惣菜を作ってた。焼きそば焼いたり、焼きおにぎり作ったりね。
ちょっと古くなった野菜を処理するのにそういうのが良かったんじゃないかな。
そうなんですね!
そこに母は役割を感じてたんだ。「私が行かなかったら誰も作らないんだよ?」って。
なんか泣けます。
あと八百屋さん全体のまかないも作ってたんだよね。
どのくらいその八百屋さんで働いてたんですか?
20年以上いたね。
すごいですね!
その場があるからこそ、色々なことを保ててたと思うんだ。仕事があるからこそ、メリハリがあるというか。
わかる気がします。
でも、母の年齢からからすると、体力的にきつい部分はあったと思う。朝の9時から行って、お昼もあるかないかで、帰ってきたら16時か17時。しかも休みが週に1日。
それは容易に想像できます。
しかも、夏休みや年末年始の休みとかの長期休暇はなかったんだよね。それが悪いとかじゃないんだけど。それを見てて、「辞めなよ」って言ったんだけどね。でも、それが母には良いスタイルだったんだよね、きっと。
はい。
「レジがうまく打てなくなった。辞めた方がいいかな。」って言われた時は、それに従うしか選択肢はなかった。でも、いざ辞めたらボケてしまうのではないかとか、老けるだろうなとか、病気が出てくるんじゃないかって、いろんな不安はあった。
わかる気がします。
そうするといきなり暇になるでしょ?いつ寝てもいい。どこか行くのも好きじゃないし、友達もいないし。あの歳でジャンクフフードが好きでさ。それが脳梗塞の原因になったかどうかは、知る術はないんだけど、一理あるんじゃないかな?とは思ってる。
正論だけが正解じゃない。内田先生が考える人生の捉え方
でも、「どこで道を間違えたの?」って言ったら、それはもう分からないわけで。仕事を辞めた母に、「これも食っちゃダメ、あれもダメ。」とは言えなかった。わかるでしょ?
はい、わかります。私の父もコンビニの菓子パンが大好きなので・・・。孫と食べるのが生きがいになっています。
最高の楽しみなんだね。食べること以外に人生の楽しみという付加価値があるわけでしょ?だから、栄養面だけ考えて、「はい、だめ」っていう切り方ができないよね。正論だけが正解と思えないんだよね。人は全体で成り立っているものだから。
はい。その通りだと思います。
僕も一時は、「(健康面でのリスクを減らすために、)玄米食べたら?」って言ってたの。そしたら、「玄米を食べるくらいなら、私は死んだほうがいい」って言われたんだ。戦争で食べるものがない時代を生きて、「白米って本当に美味しい!」ていう世代の人であることを考えると、何も言えないよっていうね。
そうですね。私も言えないと思います。
旅行が趣味でもない、タバコを吸うわけでもない、お酒も飲めない。そんな母に何がある?って客観的に見てみると、好きな食べ物まで取り上げてしまうことはできなかった。ケンタッキーが大好きでね。それがなかった時の人生はどうかなって考えると、もしかして、ストレスでうつ病になってたかもしれないし、逆に寿命を縮めてたかもしれないって思うんだ。
分からないですもんね。
そう考えたら、「どこで間違えたの?」なんてないと思うんだ。人生において、その時その時の選択がやっぱりベストなんじゃないかと思うよ。宿命というかさ。
「もし、あの時・・・」と思わないことはないけど、現実は変えられないから。
はい。
「もし、あの時・・・」って考え始めたら、いくらでもあると思う。でも、
そうですね。
だから、後悔がないとは言えない。戻れるなら、戻りたいとは思うけど、現実戻れるわけないからね。
はい。
しかも、僕はヨガ解剖学講師で、鍼灸師でしょ?運動療法をさせていたら、もっと違ったんじゃないかなってところはあるね。でも母の人生も尊重したいからね。
言葉が出ないです・・・。
世間からは、母の場合を失敗と見られても、僕の中では失敗なんかじゃない。でも、もしうちの場合を失敗作と捉えるとしたら、「こうならない人生もあるんじゃない?」ってことをシニアTTでは伝えたい。
シニアヨガTTの根幹の思いはそれなんですね。
そんな想いで精一杯伝えてる。
内田先生が素顔をお話してくださいました。身近にシニアがいる方にとっては、共感できる部分があるのではないでしょうか?
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