キャシー・ルイーズ、ヨーコ・フジワラ。共にハワイを代表するヨガティーチャーであり、師匠と弟子の間柄でもある。
今や「美しすぎるヨガ動画太陽礼拝A&B」の動画では3日間で10万再生以上を記録し、サンガワイ主催ヨガ留学企画のメイン講師も務めるヨーコにとって、パープルヨガ代表のキャシーの元でのヨガの日々はその後の人生を左右する大きな転機となっていた。
今回、師弟が当時を振り返り、今だから言えるお互いへの思いを赤裸々に語った特別対談。2人の話の中に、ヨガティーチャーと生徒の理想的な関係を見た。
ハワイの人気講師は「言うことを聞かない生徒」だった
キャシー先生に質問です。ヨーコ先生の生徒としての第一印象は?
一言で表現をすると「ちょっと悪い生徒」ね。(笑)私のことを信頼していない様子で「もっと力を抜いて。そんなに頑張らなくていいのよ」と伝えても強い反抗をしていました。
そうだったっけ? (笑)
えぇ。でも、それはどんな師弟関係でも必ず通る道。どこかの時点で私の指導が結果に繋がっていることに気づいて、そこからヨーコの変化が始まりました。
人生で一番怠けたヨガのプラクティス
キャシー先生の指導でヨーコ先生はどのように変化されたのでしょう?
ヨーコの心はとにかく硬かったんです。エゴが強いわけではないのですが、とにかく柔らかさがありませんでした。あのままでは、燃え尽きてしまうのが目に見えていましたね。
怪我をするリスクも高かったでしょうね。
もっと力を抜けばより遠くまでいけると思いました。でも本人にとってはそこがきっと一番難しかったのだと思います。
私はとにかく努力を怠らない人間でした。いい生徒、いい人であるために手を抜きたくなかったし、それはヨガの練習だけでなく人生全てにおいてそうでした。もし手を抜いたら全てを失ってしまうような気がしていたんです。
でも、ある日練習の際キャシーに「力を抜くように」と言われて。それで初めて「今までで1番怠けたプラクティスをする」をテーマに練習してみました。
そうだったんだ。知らなかったわ。
ヨーコ・フジワラが見せた変化とは?
そもそも筋肉質な私は、たとえ「1番怠けたプラクティス」をテーマにプラクティスをしていたとしても、外から見たらアライメントもそれなりに取れていたと思います。しかし内側ではもうガクガクになってしまって今にも泣き出しそうでした。
大げさに聞こえると思いますが心の中で子供のヨーコが「もうやめて!みんなに嫌われちゃう!」と叫んでいるようでした。ですがこの経験のおかげで自分のソフトな一面を見出し、リラックスすることを理解するきっかけになりました。ものすごいブレイク・スルーでした。
何も失わなかっただけでなく、むしろ何かを得たよね。
心の鎧を脱がせた、師キャシー・ルイーズ
本当にその通り。よくvulnerability(弱みを見せること)と言われますが常に気を張って頑張っている人ほど弱みを見せること、不完全な自分を見せることはとても難しいと思うのです。最初の一歩が特にね。
人には強さと弱さ両方あっていい。ヨガではそう云われるが、それはそんなに簡単なことではない。これまで一生懸命弱さを他人に隠し、鎧をかぶって生きてきた人にはわかるのではないだろうか。ヨーコ・フジワラが被っていた、鉄心の鎧を脱がすきっかけを与えたのがキャシー・ルイーズ。この人だったのだ。